2015年11月14日土曜日

蜘蛛たちの働きと共存

ハエトリグモと同居している。どこからか部屋に入ってきてヒョイヒョイと歩き回っている。ハエトリグモは子供のころ学校の便所の窓でよく見た。蜘蛛のスタイルは決して可愛い恰好はしていないかが、ハエを採るから悪者でないとどこかで聞いていた。ピョンとハエにとびかかっていくシーンを何回か見て、悪いやつではないと思えば、少々親しみを感じる。動きはそう早くないが、外に出してやろうと紙を差し出すと、上手い具合に逃げ回る。間違いなく外へだしても、次のハエトリグモが部屋を歩いている、まさか部屋の中で繁殖しているわけでもないだろうが、わが部屋は暖かい時期には基本的に網戸をしめているから、外に自動的に出ていけないとう不自由さもあるのかもしれない。したがって、あえて追いかけまわすのはやめて、共生の道を歩むことになってしまった。でも、踏みつぶしたりしてはならないから、見つけてはホイホイと圧力をかけて、窓際にいくように誘う。このハエトリグモの行く末がちょっと気になって、ネット検索してみたら、なんとゴキブリの子供を好んで餌にしているらしい。そういえば最近ゴキブリを見ないのがこいつのせい?なんて考えてしまった。でも詳しくはわからないが、そのハエトリグモの生き方には共感と賞賛ができる。

 蜘蛛との仲は渓流釣りのときもある。夏、渓流に入っていくと女郎蜘蛛の巣に阻まれる。もちろん彼らは阻むつもりではないだろうが、網にかかる「虫とり」は「魚とり」よりも優先権がある。渓流の不安定な足元を気にしていると、虫と同様に顔が網にかかってしまうことがよくある。竿を伸ばして仕掛けをポイントに振り込もうとすると、妙に仕掛けが途中で止まることもある。あちらさんの営業妨害をやらかしてしまうわけだ。渓流釣りは先行者がいないことが100%に近いほどの条件であり、川筋の泥砂に足跡でもあれば、一変に身の不幸を嘆くことになる。蜘蛛の巣がそれを教えてくれる。人が入っていないことが一目でわかる。ウンしめたとそういう時はうれしくなる。ところが往々にして、それでも魚がかからないことが多いように感じる。なぜか?渓流魚は、木々から落ちる虫や時によっては、飛んでいる虫にも飛びついてエサ取りをする。もしかして、蜘蛛が巣を張る狙いと競合しているのかもしれない。だから魚が避けてそこにはいないーのかどうかはわからない。