2019年9月14日土曜日

アメリカの余剰トウモロコシを買ってやる「思いやり」

 8月の日米首脳会談での共同記者会見で、中国が輸入をキャンセルした余剰トウモロコシを日本が買えと要求され、日本が買うと発表した。日本人記者にも連絡がない状況での会見だったという。こんなやりかたで迫ること自体問題だ。首相は「害虫対策で必要」と応じたとのこと。

 中国が輸入するはずだった米国産トウモロコシは、250万トンもの量だったのか?日本で害虫被害があるのは葉や茎を含めた飼料用のトウモロコシとのこと。実だけの米国産で代替えできないとの指摘もされている。なんという思いやりだろう。

 対米外交が首相の判断ひとつで決められるということでいいのだろうか。もっとも国会を長期に開かずにいるのは、そういう運びを織り込んでのことだといえる。シラッとして、国民から集めた税を使い込んで頬被りは許されない。一方で消費税の増税を強引にすすめ、「一体改革」と称して社会保障費の削減をとの強引な政治手法は、とうてい納得できないことだ。

吉川農水大臣記者会見(8月30日)
 本年7月にですね、我が国で初めて飼料用とうもろこし等に寄生する害虫である、先ほど言いましたけれども、ツマジロクサヨトウの発生が確認をされたことを受けて緊急対策を講じたものでございます。このように今回の対策は、あくまでツマジロクサヨトウの被害対策の一環としてですね、緊急的に行うものでありまして、米国で飼料用とうもろこしが余ったために実施しているものではございませんので、先々のことはですね、今回はこういう措置をとったということでありますが、先のことは申し上げられません。

 今回ですね、この話題となっております、とうもろこしの輸入でありますけれども、これはツマジロクサヨトウの被害対策として、畜産農家に対する飼料の供給が不足することのないように、民間企業が飼料原料として必要な量を前倒しで購入契約する場合の保管料をですね、支援をするものでありまして、我が国の飼料需給に影響を与えるものではないと思っております。この飼料用とうもろこしの購入でありますが、3ヶ月単位での購入契約を締結する例があることを踏まえまして、最大で3ヶ月分の275万トンの前倒し購入の保管料等を支援できるようにしたところでございます。年間の輸入量が、1,100万トンでありまして、その3ヶ月分の275万トンということになりますから、オーバーすることにはならないと思います。

𠮷川農林水産大臣記者会見概要