2021年7月16日金曜日

赤倉温泉の「小国川・流水型ダム」を見に行く

4回目の緊急事態宣言を前に、たまった不定愁訴を取り払いに出かけることにした。7月梅雨時の「集中豪雨」で、災害のニュースを見聞きしながら思いだした。

 ふるさと山形の最上川にそそぐ小国川の最上流部、赤倉温泉に作られたダムは、釣りの会の関係で知った「穴あきダム」だ。建設が強行されたとのニュースは聞いていたが、今はどうなったのか前から気になっていた。どうせ行くなら、このおりに寄ってみようかと出かけることにした。もちろん温泉も目的の一つだった。

 2012年に地元の漁協の反対運動があり、渓流釣りの愛好家からも造るなと声が上がった。小国川はアユ釣りでは有名な「ダムなし河川」だったから、釣り関係の人たちの注目を受けた。山形県が強引に建設に走ったことで、漁協の内部対立を生んでしまい、軋轢の中で漁協長が自死してしまういたましいことが起きてしまった。

赤倉温泉は小国川の流れの際にあるところもあり、普段はなんのことはない流れなのに、増水すると温泉に逆流するということが何回か起きているらしい。今回泊まった温泉も源泉が川の下から湧き出すという位置関係にあった。ダムの「効果」について、立ち話で聞くと、出水は少なくなったと話していた。

 昨年4月から運用された「穴あきダム(流水型ダム)」が、流域に住んでいる人たちの生活に、どれだけ被害を食い止められるのかという検証が必要なことだ。流水型ダムは他の地域でいくつか建設されており、なかには40年も安全だという記述もある。建設前のシンポジウムでは、河床の掘削と護岸整備工事で対応可能という学者の意見もあった。ダム建設で経験され明らかにされている認識を、深める作業がどうしても軽視されるのが行政のやり方だ。昨年7月の熊本県の球磨川の氾濫で、止まっていたダム建設が復活ということが起きている。これも「穴あきダム」が狙われている。

本当に必要か?の疑問が払しょくできないままではよくない。小国川の流水型ダムが完成し、観光地としての「運用」に動いていることが目に映った。NETでみると、「今年4月から本運用を開始した最上小国川流水型ダムにおいて、このたび新たに作成したダムカードの配布を開始しますのでお知らせします。ダムカードは『ダムのことをより知っていただこう』と、国土交通省などが平成19年度から作成しダムの訪問者に配布しているもので、本県の県土整備部管理ダムにおいては、これまで5ダムにおいて配布しており、本ダムが6ダム目となります」とのこと。

泊まった温泉は浴槽が良かった以外、かつては「らしさ」を誇ったところという感じだった。