2013年9月25日水曜日

四万川の散歩で気を晴らす

 傘を被って、浅草の車夫のようないでたちの男が、旅館前で出迎えをする。7階からその様子が見える。車とバスが効率よく並ぶように、車を預かって並べる。連日駐車場がいっぱいで、人気の旅館なのだ。車椅子を利用しても受け入れられる旅館を、探しだして2回目の利用になった。担当の仲居さんが、愛想良く応対してくれる。部屋にはすでに持ってきた荷物が別の仲居さんから運び込まれていた。

 前々日泊まった旅館では力のありそうな仲居さんが、義父の車椅子を押して部屋まで運んだのに、こちらではそういう扱いではなかった。旅館の車椅子に乗せて玄関内に入れてくれるまでのサービスだった。最初は義父を部屋の風呂に入れたが、家族風呂は複数あって、その一つに手すりがついているし、湯船に入るのに、流しから縁を超えずに入れるとのことで、そちらに連れていくことになった。フロントに連絡をすると、男性がやってきた。「車夫」なのだろう。タオルを数枚持ってやってきたが、やっぱり、側について道案内するだけのことだった。

 家族風呂に入ってみたら、なんとそこには浴場用の背もたれがついた椅子がある。前日フロントに聞いた時にはないということだったが…。立派な老舗旅館でも、障害者対応にはまだまだの印象になった。ちょうど風呂からでて、「サンスケ業務」がおわってとき、薄日が差してきた。

 娘と散歩に出ることにして、カメラを持って外に出た。四万川の流れは上品で風格がある。水の色に青みがかって、周りの木々の緑とで、見映えがする。流れが大小の石の間を通り抜ける。また何枚か撮ることになった。時期がもう少し後であれば、紅葉だったろうに。ここは11月末ならの短い期間だという。登っていくと、たくさんはないが、別の旅館群がある。手前の橋の側に四万温泉の提灯がある。前回も撮ったところだが。提灯の様子が違っているようだ。灯りが二か所しかつていない。省エネなのだろうか。「釣人の目」で川を眺めながら歩いたが、竿を出せるようなところは、なかったようだ。魚の姿も見えなかった。

(2011.5.4撮影)