2012年12月6日木曜日

つり仕掛けづくりも、創造となれば文化のうちかも


 新しいものを作り上げる面白みというのがある。だいだい、創造するなどという高邁なアタマも能力も持ち合わせていないから、本当のところはわからないが、つくるという脳の働きは、生きていく上で大切なはたらきのように思う。うまく作ることができれば、それは他者にとってはもちろん、自分にとってとても豊かな満足感をもたらす。いや多分もっと複雑なものなのかもしれない。

 そういう難しいことはさておくとして、ちょっとした工夫や思い付きでものごとが改善することがよくある。釣りでもしかり、釣りの仕掛けはおろか、ウキ、竿まで作ってしまう人がけっこう多い。直接の釣り行為でないつりの楽しみ方だ。そしてまあ、これも「てんぐ話」になるのだろうか、作ったものの説明をとくとくとする。いやこれは決して悪口ではない。

 造った仕掛で、幸いにして釣りの結果がよかったら、それは話さないでいられるものではない。だれだって「八つぁん」よりは「ご隠居さん」の方になって、教えてやりたいという気持ちを持つのが当然だ。教えてもらう方と言えば、これがまた素直に聞き入れる人もいるし、気難しく聞かいない人もいる。聞かない人は、やっぱり自分流のひととおりの確信があるのだろう。はた目で見て、素直に聞けば、もっと釣れるようになるのは間違いないのにと思うことはある。でもそれはそれ、人の気持ちにあまり踏み込むわけにはいかない。

 先日、ハゼ用のハリス附きの針をたくさんもらった。ハリスが40センチ~45センチも付いているから、短く切って使うと30センチ以上も捨てることになる。棄てるのはもったいないから、切ったハリスに別に針を付けて使っていた。ふと考えて、そのまま使える方法を思いついた。

 使ってみると、上下の針が絡むケースがあった。針と針の間隔をうまくとることが必要だった。針を錘から離れた位置につける二本バリは以前に考えた人がいた。そういう意味ではオリジナルではないが、「折り返して」造ったのではないと思う。上の針にかかる割合は多くないが、ハゼも飛び上がってエサを咥えることがある。多分「見せエサ」の効果はあるのだろうと思う。