2013年12月6日金曜日

和食が文化遺産に。残したいものということには賛成だが。


 和食が文化遺産に登録されて、我が家の贅沢旅行でときたま味わう懐石料理を頭に浮かべた。小鉢にきれいに飾られた料理を、食べ過ぎだなと思いながらも平らげる。初日はそれでもなんとか胃が受け入れても、二日目になると相当頑張っても、きついことになる。最後のデザートになると、もういいといいたくなってしまう。日頃の家庭の料理は、「家」伝統の味噌汁の味に好みの漬物と肉か魚がメインでそれも、スーパーから買い込んだものだから、つれあいの料理の腕でなんとか体裁を保つ。いわば年金暮らしのつましい生活だ。文化遺産としての和食といっても、芋の煮ころがしとかアジの開きとか、ヒジキとかおからとかといった伝統的な家庭料理が評価されてのことでないじゃないと、我が家の朝食時に話題になる。

 腕も確かだろうが、調理人が材料に金をかけ、器もしっかりしたものに、優雅に並べられた和食は、場合によってはレトルトや乾燥食品にたしなむ者とはいささか距離感がある。それに食材も輸入ものが圧倒的で、日本で生産された食材でないものを口に入れるものも相当ある。遺産登録がまたぞろ観光収入目当てのにらみ方では、食文化を総括したものと思えない。日本の農業も漁業も衰退するばかりで、「食料自給率」という言葉もいまや死語になるかというときだ。

 国会は、特定秘密保護法案のごり押し成立がされようかという状況になった。日中のテレビでは「与野党議員」(民主党と自民党)が並んで、口角泡をとばしつつ、方やニコニコ笑いながらの論争をしていた。国会運営から抜け出して審議に加わらず、「審議促進に協力する」という連中もでてきている。地から湧き出すような声が、連中には聞こえている。だからここまできたと思うのだが、正面から堂々とやりあってもらいたい。「第三者機関」というものがこれまでどんな人選で決められたかを考えれば、修正の課題なんかにはなりえないだろう。そんな小手先のことですむようなことではない。

この種の裏相談は、料亭やホテルでされてきた。国会機関でないところで修正協議なるものをすることも、これまでどおりのやり方だ。国民の目の届かないとこでやってきたことが、今度は秘密事項として任意に決められるという。情報を手に入れようとすることさえ罪に陥れられる。安倍なにがしの一存ですべてを思うままにできるのでは北朝鮮とどこが違わないだろう。

強行採決の後には、ニコニコ笑いながら料亭で和食料理かい?文化遺産が泣くぞ。