2013年6月28日金曜日

狼煙(のろし)漁港、夜の活性(5月26日)

 能登半島の北東の先端にある小さな港。二日目はここの目の前の旅館で滞在し、今回の目玉である漁船の水揚げの様子を撮らせてもらおうと、旅館にも事前に話し、状況を聞いて準備をしていた。
 夜8時半に旅館のすぐ前で、明かりに照らされて浮かび上がる水揚げ作業が始まった。撮らせてもらう時には、その人に断りの一言を言うのがエチケットだが、それで断られるのがイヤで、いつもすんなりと入れないものだ。しかし今回は、幸いにもちょっとお酒も入っているので、滑らかに話ができた。魚となれば多少の知識は素人方よりはあるから、魚の話をすると漁師さんの口も軽やかになって、写真を撮らせてもらうことができた。

 網にかかったオコゼを取り上げて、これは危ないんだよと何度も話して教えてくれた。先刻承知という言葉は呑み込んで、そうですかと相槌をうった。漁師さん、よっぽど痛い目にあったのだろうか。
 だから、この場は私のおかげで写真家の皆さんも撮りまくることができたのだと、少々鼻高な気分になった。









 
 お母さんは口に五寸釘を噛んでいる。魚を外すときに使うのだと話してくれた。まとめて買い入れてあるのだそうだ。魚は大きくい足水揚げは少ない。長期的には減っているらしい。でもだから、網中に大きいものが入った時はうれしい。ちょっと持ち上げてと声をかけた。よい型のクロダイだ。網の色は2種類あって、狙う魚によって替えるらしい。この漁師さんは、お隣とは違うものを狙っていたんだと言っていた。