もう、岩手山の雪もさすがに、融け急いでいるようで白い雪だったものが、汚れたかのように黒っぽい肌を見せ始める。それでも頂上に雲を頂いて、次々と送り出しているように見える。溶けだした雪は山麓にあるやがては田植えが始まる場所まで運ばれてくるのだろう。
朝方は冷蔵庫の温度くらいの冷たさでも、昼過ぎには日向はぽかぽかとあったかい空気が蔓延する。お隣の桜もそれとばかりにどんどん蕾を膨らませて、競争を始める。山麓生活のバタバタいやちょっと重いゴタゴタを慮ることなく、季節が移ろっていくのを体感する。これおも幸の物差しをあてて喜ぶ以外にない。