2012年3月19日月曜日

若者が元気で働けるようにならないと

 若者の雇用の実態が大変なことになっている。内閣府の調査結果で、一昨年就職した若者は569,000人だった。このうち辞めてしまった人は199,000人。無職やアルバイトとなっている
140,000人。


 二人に一人が再就職できないでいるとのこと。政府に雇用の責任を果たさせることが必要ということは言える。企業が新規採用を絞っているのに、政府は効果的な手を打っていない。公務員の採用も減らすということまでしているから、就職口は余計狭まってしまう。


 「ゆとり教育のマイナス」を言う人もいるが、それは現状を見ていない。労働条件が整ったよい職場だったらそう辞める若者はいないのではないか。ついこの間まで「休暇が取れて、給料が高くて、残業がない」という企業を若者が求めていたはずだ。


 労働条件がいまどれだけのものか。「過労死」「躁鬱症の増加」「賃金の低下」「残業代の未払い」など、マスコミにでてくるものだけでもその環境をうかがうことができる。つい最近でも、「パワーハラスメント」の実態が報道されていた。


 別のニュースだったが、富士重工のディスクトップの組立工場が被災して、生産が止まった。その教訓から、緊急時には別の工場でその生産ラインを動かすようにしたという。その「研修」は、「一挙手一投足」を管理して無駄な動きを排除して実施したという。


 「生産性向上」のために、こんなことが職場に実在している。こういうことが当たり前で、黙って従わない方が間違いということでは済まない。「就職がめんどくさい」と若者に言わせているのは誰なのだ。


 秋葉原の大量無差別殺人は、非正規雇用の若者だった。職場から放り出されることを気に病んだ。犯したことは許されることではないが、その背景にあるものが、誘因となったことには違いない。


 若者が元気で働いて、賃金や労働条件も保障されることで、結婚できる条件を整え、子供も育てていけるとなれば、日本の将来に希望がでてくるというものだ。そうならないと社会的なマイナス要因は増え続けてしまう。