2015年1月22日木曜日

生きものは自然界で生きるのが一番

 葛西水族館で死亡してしまったクロマグロなどからウィルスが発見された。原因不明の死亡が続いて、専門家による薬剤を投与していたが、さまざまなストレスを想定したのの、しばらく原因がわからなかった。死亡発生が止まらず、病理診断検査の結果によってウィルスと判明した。どんな種類のモノかはこれからだという。 

 上野動物園でもこのところ大型動物の死が相次いでいるとか。こちらも原因を特定して明らかにはしていないが、「同園教育普及課では、死因はそれぞれで異なり、関連はない。寒さなど季節的な要因でもないだろう」と発表している。繁殖をさせようとしたものが、果たせず高齢化によったものという図式らしい。 

 生きもの鑑賞するという行為で、楽しかったり面白かったりするし、地球上に人間以外の動物が存在するということを知るという意味で役には立つとは思う。不幸にして人に捕獲されて、食に回されずに水槽か、檻の中に入れられてしまった。人間の「ために」従属させられるのはどちらにしても気の毒なことだ。「人間みな平等」は人の規律では役立つが、ほかの生物のためには通用させていない。人間の支配下に置くという思想だけが定着してしまったことも、今は返り見なければならない時期だろう。

 他人の存在を認めて尊重することでさえ、日常とても難しいことだ。その上にその理念は、人間以外の生き物との関係にもあってしかるべきとしないと、人との共生は望めない。「死亡」という言葉は大概は人をさすが、人以外でも使われるということで誤りではないらしい。それよりは同じ言葉で言い表せることができる、生き物としての「平等」を慮った方がいいのかもしれない。

 人間が、あるいは人類がでもいいが、自然にたいして、再生・循環能力を確保して管理できるのだろうか。よしんばできるとしても、それよりも先に自然界を「死亡」させてしまっては元も子もない。異常気象を含めて人の世界が自然に与えているストレスは尋常でない。日頃の世界と日本の天候はそれのあらわれだろう。日本の周囲での漁業活動は、資源管理の名で養殖、栽培漁業が当たり前になっている。もはや自然の再生能力を前提にしないところまできている。

 
 つりの会の磯の小物のつり大会が、127日に三浦半島で催されたが、海タナゴや小メジナの釣れ具合が非常に悪くなっている。それも年々下降しているという状況だ。この正月4日の初づりも、従来に増して釣果が落ちている。海も川も、魚を釣る環境が悪くなっていることは、間違いない。自然と自然環境に対する干渉や改変に、リアクションがいよいよ迫ってきているという気がしてならない。