2011年7月9日土曜日

川をあなどるなかれ

 放送大学で「川とこどもたちのかかわり」を話していた。山中康裕京大名誉教授は、自然に触れることによって子供たちの成長に良い影響を与えるよいう趣旨の話をしていた。

 川を非常に愛しているようで、「カワンセラー」と自称しているとか。臨床心理学の第一人者ということだが、退職してからは川歩きをして国内の河川を相当(35以上も)歩いたことを紹介していた。

 四万十川の135キロを歩いて22カ所の沈下橋を見たとか。



 日本の河川で一番きれいなのは四万十川だ。北海道の後志利別川(しりべつとしべつがわ・清流日本一に何回も選ばれた)もきれいだけれども、流域に人家はない。それに比べると、四万十川は人里がたくさんあるのにも関わらずきれいだと話されていた。

 人間と川との交流はずっと昔からあった。共存する形ができていたわけだ。だから川によって人間が生きていく知恵を授かり、獲物を得、たくさんの影響を受け生活してきた。

 山中教授の「人里がたくさんあるのにきれい」には感心した。写真撮影の場合も対象が「美しいもの」に限らない。感動したもの、気持ちが動かされたものに啓発されて撮ることがある。リアリズムといっていいものかどうかわからないが、そんなものではないだろうか。

 教授は「自然は脅威もあるが、予測できる」と言った。気象学も相当すすんでいるだろう。地震のメカニズムの研究もすすんできているようなので、怠りなく注意をはらいながらつきあえばよいと私も思う。

 川が人間の生活や形成におおきな関与をしているらしい。やたら詰め込む学習は、、自然がさしのべる宝には及ばないかもしれない。生きていく力は今の「勉強」だけでは足りない。

 教授が子供に「川の絵」をテーマにして描かせた。川に足を入れたら、その子供の足の指先を小魚がつつき始めた。足の指先、爪の間には皮膚の老廃物があって、餌になる!(知らなかった)。子供は足を動かすことができなかった。その感動を絵に描いたと。

 もちろん臨床心理学はうといが、内容は理解できた。子供は自然を大事にする人間になるだろう。きっと。