2013年6月14日金曜日

選挙への期待

 400万票を取った猪瀬知事が、なぜそんなに票を集めたのか?そんなことをしゃべっている人が身近にはいないから謎がとけない。
 田舎の地方議会の選挙で、隣か同じ地区からでた候補者には一升瓶を持って挨拶に行くのが習わし、というのか普通されていることだと聞いたことがある。だから、その人に入れるということも起きるだろう。選挙は政策でというのが選択の基準であることは疑いないにしても、そういう選挙にはならない現実がある。公約は、政策はと、マスコミだって一応取り上げはするが、政権政党の公約も含め、掘り下げた内容にはなかなか踏み込まないように思う。

 原発の稼働についてさえ、稼動推進だとか他国に売り歩くといった馬鹿げたことに、主体的な論点を持たないから、選挙に対する影響も薄いものになる。石原慎太郎の後継者で、オリンピック誘致に熱心だというだけの知り合いとして投票対象になったとしたら、と考えることもできる。

 都政がどう運営されているのか、都民の暮らしに同直結した政治になっているのか。放射能汚染に対する取り組みはどうなのか。保育園の問題はマスコミもやっととりあげてきた。が、待機児を持つ母親の運動を見てのこと。どれだけこれまで問題になっていたのか。築地市場の移転は食に通じる安全の問題。400万の票をあてにしてか、知事提案に全部賛成してきた輩が、この時に及んで都政を批判しているかのようなポーズも可笑しい。

 選挙制度の「べからず法」で選挙活動の抑え込みをはかっていることも、選択できない選挙の性格を保守することには役立っている。よしこの人だと選択できるような選挙になればいいと思う。12兆円をどう使うかという大きな選択だ。短い間の選挙でも、できるだけの情報を出し合うことで、いくらかの討論活性化になるのかと思う。どこかでつながった「知り合い」の範疇で選択することになったら、政治の発展はまた遠いものになる。