2019年3月11日月曜日

ホテルの写真と「♬高原列車は行くよ♪」(歌 岡本敦郎)の近しい関係





 写真は五色沼ツアーに参加したとき、中ノ沢温泉のホテルに泊まった時に展示されていたもの。川桁駅(磐越西線)の様子と説明されていた。いい写真なのでスマホで撮っておいたものだったが、どうしてこんなに賑わいのある列車だったのか気になって調べてみた。

 かつて硫黄鉱山があった中ノ沢温泉近くの沼尻まで、日本硫黄沼尻鉄道(磐梯急行電鉄=沼尻鉄道 大正2年開業 昭和44年廃止)が敷設されていた。この鉄道は磐越西線の川桁駅で接続して、主には硫黄を積み出す貨物が走っていた。写真にある貨車に積んでいるものが硫黄らしい。

 沼尻鉱山(安達太良山西斜面)にはひところ2000人の労働者がいたらしい。江戸時代には会津藩と二本松藩が権利を争ったという。硫黄は朝鮮戦争時には「黄色いダイヤ」と呼ばれるほどだったが、「戦争特需」だったことを思わせる。それ以降は石油製品にとってかわられていった。

 ところで岡本敦郎が歌った「高原列車は行く」はこの磐梯急行電鉄の情景を謳ったものだとのことで、作詞の丘灯至夫、作曲の古関裕而は共に福島県出身。昭和27年に発表されたこの歌、知らない人がいないくらい流行したが、このとき朝鮮半島で戦争をしていたのだから、なんという能天気なことだったかと思わないでもない。