2014年3月23日日曜日

マレーシア航空機が見つからない不思議

 JAXA(宇宙航空研究開発機構)によると、20131月時点でこれまで打ち上げられた人工衛星は7000個を超えて、落下したものや回収したものを除くと。地球を回っている人工衛星は3500個以上と「言われている」としている。質問に応えての回答だから、軍事情報にもかかわることにはコメントしないのだろう。人工衛星は軍事的利用が競われている部分だから、良否は別にして相当地球上のモノが見えなければ「ならない」はずだ。

 人工衛星から車のタイヤの跡も見えると言われてからずいぶん経つが、今はもっと精度が上がっているだろう。人工衛星が3500個も飛んでいるのであれば、監視カメラ仕様で使っている衛星を、各国どれだけ保有しているだろう。その能力は北朝鮮のロケット発射台の細かな様子を見られるのも可能なわけだから、大きな航空機がどこへ行ったか分からないということがあるのかと思う。大国が軍事拡大競争に走っているときに、そっちの論理からして地球上でわからない・見えない地点があるということが、許されることなのか不思議だ。

 軍拡を煽るのはノーだが、福一原発の惨状はグーグルの航空写真でも見られるわけだから、技術的には十分能力を持っているものではないかと思う。中国の衛星が漂流物を発見したとの情報を三日後に発表したとき、発表が遅かったことをアメリカの高官が「中国の衛星の能力をさらけ出すことに逡巡した」と揶揄したらしい。結局、中国からマレーシアに対して誤った公表をしたということになった。それなら、アメリカはどうなのだろうか。わかりはしないが、今回大人しいことだけは確かだ。

 中国が軍事力の示威行動にでているとの話もあるが、フィルピン、シンガポール、アメリカ、日本も「示威行動」に参加している。マレーシア政府の増援要請で、国際緊急援助隊として航空自衛隊のC-130輸送機と、海上自衛隊のP-3C哨戒機をそれぞれ2機派遣することも決定し、派遣した。「国際救援隊」が各国勝手にやっているわけでもないだろう。アメリカの仕切りによって、これも「訓練」としてやっていると思うと、穏やかでない。マレーシア政府がどういうわけか、発表を遅らせていることが原因になっている。メンツにこだわるとしたのか、テロの仕業にこだわったのかわからないが、軍事的配慮によるものとしたら、これも役立たない軍事行動ということになる。