2013年4月20日土曜日

首相の好感度演出するマスコミの役割


 安倍首相のマスコミへの露出度がここのところ目立つ。アベノミクスが日本の経済を立て直すと確信する話はどこからもない。それどころか物価の方が上がり始めるということになっている。ボーナスにイロを付けた大企業もあったが、ほかは騒ぐほどの効果もあがっていない。好感度の印象だけを振りまいて、参議院選挙へなだれ込もうとしているのだろうと、誰しもが思うところだ。

 国民栄誉賞にしても、意外性をねらったわけでもないだろうが、二人同時に受賞したりして、釈然としない思いも少し残った。国民栄誉賞は 「広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与えることに顕著な業績があったものについて、その栄誉を讃えること」との規定に基づいて、民間有識者の意見を聞いて総理大臣が決めることになっている。

 2月に故大鵬幸喜氏が受賞したばかりだが、「新年度予算」で早くも執行したということだ。この顕彰制度を造り、最初に王貞治氏が受賞した時は、福田赳夫首相だったがそのときに、この賞は王選手の偉大さに表彰したものだけれども、落ち目の内閣を浮上させるという効果を考えたのだろうと思った。

 20日は安倍晋三首相主催の「桜を見る会」が、新宿御苑で開かれた。各界の著名人ら約1万2000人が集まった。アイドルグループ「ももいろクローバーZ」のメンバーとポーズを決めて写真撮影に応じるなど終始、上機嫌だったということだ。

 「ももいろクローバーZ」は16日に発表されたオリコン週間アルバムランキング(22日付)で、2枚目のアルバム「5TH DIMENSION」(10日発売)が発売初週で18万枚を売り上げ、初登場首位を獲得したというニュースがある。この勢いにあやかりたいというところだろうか。

 マスコミ幹部と首相との会食が続いて、消費税増税、改憲、TPP参加を煽り、露出度を増やす行為が増えている。政治の監視役であるべき役割を投げ捨てたものだ。批判できないマスメディアが、背かれることになることは疑いない。