2014年9月29日月曜日

御嶽山と御岳山の違い

 御嶽山は御岳山とは違うと、東京人は思うだろう。噴火で犠牲者が出ている御嶽山は、朝日新聞は報道で最初「御岳山」を使っていた。この文字は誤りというわけではないようだが、グーグルの地図で見ても山は「嶽」の字になっている。御嶽山の周辺では「岳」の文字をつかっているモノもあるようだ。王滝川をせき止めてできたダム湖は「御岳湖」となっている。この湖の上流にあるのは御「嶽」山神社里宮がある。

 朝日新聞が日曜日に、これまでは新字体で「御岳山」と記事に書いてきたが、今後は「御嶽山」と表記すると断り書きをした。事が新字体を使ったということなら、それはちょっと違うような気がする。あくまでも固有名詞なのだから、文化や歴史があっての呼称なので、新字体に換えて使うというのはおかしくないか。

 私事ではあるが、昭和40年の初めころちょうど「電算化」が始まっていて、運転免許証がオンラインとなり「フリガナ」が付けられた。現在とは違って、本人に確認もせずに、勝手につけたものだった。「アオヤナ キョウ」というものだったが、漢字で書く名前からは、かなり大ざっぱなつけ方だった。勝手につけたという断りもあったような気がするが、定かでない。現在では行政関係の名前使用はフリガナを申告させ、あるいは照会して登録しているから、本人確認のために正確を期されている。

 IC技術の向上で、記憶容量が大きくなっているから、名前にしても「斉・斎・齊・齋」などひところの「斉」使用は、本籍登録上の文字を使用することが可能になっている。他人と違う一個人として尊重されているということにつながっている。同様に、その地方でつけられた地名や呼称は、国土地理院でも基本的に使用しているものだから、この点でも「略す」という意義は存在しないと思われる。

 朝日新聞の「御岳山」使用について何らかの選択基準が別にあるとすれば、中日新聞の表現があるようで、この新聞は「御岳山」を使っている。新聞社は、現地も含むエリアを「管轄」しているので、何らかの選択基準を持っているのかもしれない。(それとも新字体?)

 なににつけ、存在するものは他にはない固有のモノだから、区別されなくては正確な表現にはならない。東京が文化の中心である必要はないが、東京にある「御岳山」も名のある観光地なので、同じでない方がいいと思っている人もいるだろう。