2013年5月4日土曜日

超硬の剛竿でガッチリ この瞬間にかける


 イワナ釣りの竿は、穂先の固いのがいいと思っている。物干し竿みたいにと説明する。イワナが餌を食い込んだとき、ガッチリかけられるからだ。不幸にして空振りした時は、必ずと言っていいほど、気に枝や草に絡みつく。はずすの時は、その場所までつかづけなければ、煽ってとることになる。それで外れない場合は最終的に引っ張ることになる。

 このとき竿が強ければ、外れてくる可能性が高い。穂先が柔らかいと反動のふり幅も大きくなるから、絡みやすいし外れにくく、下手をすると穂先を折ってしまうこともある。口が堅いからしっかりかからないと、魚を持ち上げたときに、暴れられて外れる。呑み込まれるほどゆっくり食わせれば、それでもいいかと思うのだが、待ちきれずに竿先を早くあげたくなる。

 万全を期して、魚が掛かったら緩め気味にして、ゆっくり呑み込ませた上で、下流に向かってガッチリ合わせる。そのための剛竿だ。これがいいのだろうと自分では納得している。最近それでも鉤掛かりが悪くなった。針もお気に入りのものを愛用していて、消耗すると購入先の宮古の店から送ってもらう。ところが最近は釣りに行く回数が減っているから、使用頻度が低くなってサビがでたようだ。仕掛けを作ってから針先を研ぐようにしているが、その針はもう製造していないようだから、補充が難しくなった。

 山形の釣り道具屋でたまたまカワハギの針を見た。懐が深くて岩魚針に似ているので購入した。カワハギ用だから針先はびっくりするほど切れる。仕掛けづくりのときでも、すぐに針先がものにかかってしまう。この針を使って試しているが、鉤掛かりは非常に良い。

 今回の渓流釣りでは、掛かりの良さを実感はしたが、それでも何回か、かけてから落としてしまった。エサのキジが太めで立派だったから、口の中に入るまでの時間がかかったのかと考えられるが、もう一つは針が鋭利だから、合わせもゆるくて大丈夫だとしたのが原因だったかもしれない。最終日は気温が上がって、魚の活性が高くなったから、掛かって持ち上げてからの暴れ方で外れてしまった可能性もある。岩魚に聞いてみるわけにはいかないから、もう少し経験してみないとわからない。

 岩魚庵の囲炉裏で、オーナーさんの指導の下、桜の木をくべて燻蒸したイワナができあがった。お土産に持ち帰って娘に食べさせた。ちょうど誕生日にあたった。「吉呼ぶ岩魚―大自然の旨みよく出ていたね」と返事があった。今回のイワナ釣りが完結した。