2020年7月5日日曜日

カルメンと言えば「バラ」、バラのころは6月中の頃

 良い育ちだったわけでもなく、金持ちの暮らしだったわけでもないが、いつだったか不鮮明な子供のころ、歌劇を見ることになった。親に連れられて行ったのだと思うが、多分その頃は「歌劇」なるものは日本ではまだ珍しかったころだと思う。演劇でさえ見たこともなかったし、歌いながらしゃべるなどということが、なんとも奇妙な感覚だったのだろう。バラを加えて歌い踊るという鮮烈な場面を、びっくりしたまま記憶に残している。

 だからといって歌劇=オペラが好きで通ったということでもなくて、その後も何回かは舞台を見、テレビも交えて眺めただけのことだった。合唱団の先生がときおりやる演奏会では、カルメンの曲が織り込んであり、いつもそんなことを思い出しながら楽しませていただいている。

 しばらく前に成り行きで、合唱団の「オペレッタ」で演じることになった。多数のなかの一人でやったもので、にぎやかにやり結構楽しいものだった。合唱団でさえも今ごろ(10年前)になっての奥手入学で、もっと早くからやっていれば、様々な楽しい体験ができたのかもしれないと思う。

(写真は昨年の6月22日)







 カルメンが加えたバラは、原作では野アカシアなんだそう。薔薇のようにすぐ萎れることはないし、「枯れてなお芳香をはなつ」強さがあるとか。