2019年7月2日火曜日

太陽が照らす近所の変遷


 近所を歩いて回るのと意外に新しい発見があったりする。大通りは人と車ばかりが目に入ってきて、あまりに慣れすぎて新鮮さは感じない。写真を撮れるものはないわけじゃないが、人を矢鱈に撮るわけにはいかないから気を遣う。なにか目に飛び込んできてああこれは面白いかなというものがあればいい。

 ずっと住んでいても、変わっていくものがある。特に建造物の変化はすごくて、ここにどのくらいの金が流れ込んでいるのだろうかと、貧乏人が余計な心配までする。でも「景気」なんだろうし経済活動の一面なんだと思っても、懐具合には何の足しにもならないと頭の反対側から声が出る。

 「昔は」と、50年くらい前を想像すると料亭がある華やかな街だったらしい。黒塗りの車が止まって、ナントカという料亭はどこかを尋ねられたことがある。今はその頃の面影がほんの少しだけ残っているだけだ。付近には新しい公園やら高級マンションやら、邸宅が壊された平地やらが、新しさを「誇示」するように都庁舎を遠望している。

 ついでに言えば、住宅地のど真ん中に9階建てのワンルームマンションが工事中で、近隣の「建設反対」のポスターで包囲されている。新しいものの魅力は、昔のものとの入れ替わりで手に入れることになるが、ある意味「破壊」との引き換えにもなっている。