2017年5月16日火曜日

寄生虫アニサキス 食中毒、日本海と太平洋で違いがある

アニキアス症発生の話題が、癌の発見にもつながるものとの尾鰭までついて取り上げられている。
“ニュース”は
刺身など生の魚介類を食べて、寄生虫のアニサキスによる食中毒届出患者が、ことしになって全国で30件ほど確認され、厚生労働省は生の魚介類を扱う販売業者や飲食店などに対し、寄生虫がいないか確認するなどの対策を徹底するよう呼びかけている。

 厚生労働省のホームページを当たってみたら、4月までの届出患者数は昨年の発生状況とほとんど変わりがないようだ。ここ二年間でそれぞれ130人前後だったと発表されているが、推定7000人とも書かれているので、患者数がほとんど把握されていないことになる。NHKのニュースでは芸能人が3人ブログなどで、腹痛を起こした投稿をひろっている。 
 賑やかになってくると、対応のランクが上がってくるのだろうか。2014年ごろから厚生労働省が、対応に力を入れているということなので、把握件数はこれから増えてくるだろう。サバが一番多くアニサキスを抱えているとのことで、「日本において年間7,147件(2005年から2011年の年平均)のアニサキスによる食中毒が発生しているとされています」と同ホームページに書かれているが、20146月に更新したものだ。農林水産省HP

 サケ、サバ、タラ、イカ等の海産魚介類の刺身等と書かれているが、イクラにもあるとのこと。内臓に寄生しているものが、保存状態によって筋肉部に移行するという。寿司、刺身を食べるときは調理がしっかりしているものでないと危ない。
詳しくは食品安全委員会の資料にあるが、マサバへの寄生状況調査では日本海側と太平洋側のものを保存したときの違いが書かれており、太平洋側のマサバは保存温度があがれば、筋肉部への移行率が高いとの結果が出ている。
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 太平洋側と日本海側のマサバの計96尾を対象に、4℃および20℃で20時間保存後の筋肉部及び内臓におけるアニサキスの寄生数を比較したところ、A. simplex(太平洋側)では、検出されたアニサキス総数に対する筋肉部における寄生数の割合(移行率)が、4℃保存では9.3%であったのに対して、20℃保存では19.2%という結果でした。一方、A.pegreffii(日本海側)では、4℃保存後の移行率が0%であったのに対し、20℃保存後に  おいては1.8%であった。これらのことから、A.simplex(太平洋側)は、保存温度が上がれば、筋肉部により移行しやすくなることがわかった。

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 日本海と太平洋の検体による調査結果が、アニサキスの筋肉移行に違いがあるのは、温暖化による海水温の影響という見方もできるのでは?

(食品安全委員会資料)