2017年6月20日火曜日

釣った魚を食す日本の文化を壊す温暖化

 フグを釣ったら食ってはならぬ!という時代がきた。水産研究・教育機構が発表したのはショウサイフグとゴマフグの交雑で生まれたフグは、どこの部位にフグ毒があるのかが不明だという調査結果だ。外形から見分けがつきにくいという難点があり、判断がつきにくいのは市場にでまわらないようにチェックするとのこと。ならばショウサイフグを食するのは安心ではある。

 ところでこのショウサイフグは、釣りの対象として東京湾や千葉県外房で盛んにおこなわれている。この交雑種を釣りあげたら、釣り人や船頭さんが見分けるというやりかたで、判別することはやっぱり難しいだろう。そうなるとショウサイフグの釣りはできなくなってしまう。

 ゴマフグが日本海を北上し、津軽海峡を越えて太平洋側に入り、ショウサイフグとの雑種が生まれた可能性があるとの見方であり、温暖化によって海産魚の分布の変化や交雑が世界中で報告されているとの実態もある。生態系への影響はいよいよ広がってきたわけだが、「釣って食す」という釣り文化にも大きな影響を受ける。ここまできたかという感じがするし、地球温暖化の対策からトランプ政権が抜けるという話も他人事にならない。

 海水温の上昇に伴うショウサイフグ、ゴマフグの生き残りの「進化」と言えるかもしれないが、生態系への温暖化によるストレスは、「人」の生活への影響もおおきいし、それこそ経済効果のマイナスはどれだけの規模になることだろうか。