2013年2月13日水曜日

ウロハゼの盛衰解明


 以前このブログの「ページ」欄に「ウロハゼの数奇な運命」を書いた。横浜の鶴見川でのウロハゼ繁殖動向を研究したものを読んで、ウロハゼの棲家が、繁殖の条件になっているという内容を元にしたものだった。そこに書いてある増加の原因は、温暖化による生育、繁殖の拡大だという説が有望な仮説だとしていた。

 魚釣りの結果は、水温による変動がおおきな条件で、これを無視しては、いい結果に結びつかない。捕食する餌の居場所への移動と温度変化が深くかかわっている。「衣食住」は魚にとっても大切なことだ。

 その温暖化が原因と言う仮説にたって、なお調べてみると、その鶴見川河口域で、かつての「公害列島」のとき、大量のごみが河川に廃棄されて、大型廃棄物やパイプなどが棲家を提供した。そのことによってウロハゼは増加した。だが、別のところでは、空き缶がプルトップだった以前には、空き缶にはチチブが占拠して繁殖したので、ウロハゼが少なくなった。今度は、空き缶がリサイクルや清掃活動で少なくなり、プルトップになったことで、産卵巣としてチチブが入り込めず、ウロハゼ増加の一因という可能性を推論した。概括、こんな研究結果だった。

 先日、釣りの会で釣った魚の名前が不確実なので、神奈川県水産技術センターに連絡して、教えていただいた。工藤孝浩さんが丁寧に対応してくださった。そのとき私の「uroahze」というメールアドレスの呼称から、ウロハゼの話になった。ブログの「ウロハゼの数奇な運命」を読んでいただいたら、後日メールが返ってきて「ご指摘のうち、『温暖化に伴う分布域の拡大』が事実でしょう。ゴミとは無関係ですね。」というお話だった。