2011年9月7日水曜日

写真展を見て8月15日に戻された

 4日、「昭和史のかたち」満州侵略から沖縄決戦までの歴史を、撮した江成常夫の写真展を都立美術館でみた。ここ数年間に撮ったものだった。中国人を1000万人も殺すことになった歴史が浮かぶ上がる〈偽満州国〉、インドネシア、ラバウル、テニアン、レイテなのどの島々で残っている爪痕〈慟哭の島〉。「風化」から切り抜いた写真は、生々しく迫ってくる。

 お国のために死ぬことを美徳とされて、敗戦色濃くなった時には軍の幹部が突撃命令を出して、徹底抗戦をさせた。そうしておいて自分は自決をするというなんともたとえられない行動。

 他国を支配、侵略することはあってはいけないことと、今なら当たり前に言える。侵略を正義だとすり替えて、天皇の名をもって国民を動員した15年戦争。その行為は侮蔑の言葉以外いらないだろう。

 広島、長崎の原爆投下は事前にその情報をつかんでいたということが、先日テレビ放映された。国民を助けるとか生き延びるようにするということなど、これっぽっちも考えつかなかった時代だった。


 被爆をして未だに苦しんでいる人、実相を語り継ぐ人、焼けた懐中時計、眼球がないマリア像…犯した罪の大きさを見るよう。
慟哭の島、偽満州国、シャオハイの満州、ヒロシマ、ナガサキをテーマとした写真は、日本がしでかしてしまった歴史を改めて顧みさせる力を持っていると思った。この歴史を抜きにして「平和」や「友好」を簡単に言うことはできない。


15年戦争が終結した8月15日。
リンク→その日付に撮った写真からなにかでてくるか。