2012年10月23日火曜日

悪食はイワナか人間か


 魚は、自分は育つのに様々な動植物を摂る。「摂る」のはこの字で良いだろうと思うが、魚が摂る場合は「獲る」「採る」「盗る」「捕る」と、イメージは広い。

 「盗る」は、言葉が悪いが魚が餌を食べるときに、我先に飛びつくという動作がそう見える。ハゼ釣りの時にアオイソを投げ入れると、数匹が寄ってきていったん停止し、次にそのうちの一匹が飛びつくという場面がよくある。目の前のエサを持っていかれた方からは「盗られた」となる。

 イワナが悪食(あくじき)と言われる。水生動物から陸上の昆虫などなんでもと言うほど食べる。ネズミだの蛇だのといったもの、場合によってはイワナの子供まで。食べるものの範囲が広いからこのように言われるのだろうが、イワナにしてみれば、生息環境の厳しいところで生きていくための力なのだろう。

 イワナは警戒心が非常に高くて、人が歩く足音や影などを察知すると岩陰などへ避難してしまう。ところが、一度エサを食べて釣り上げられ、うまい具合に針が外れて、また水中に落ちたような場合でも、またエサを追うことがよくある。この執念も生きていくための力のようだ。

 病院を「駆け込み寺」代わりに使った閣僚。また、おやめになると目されるが、目まぐるしく変わる内閣と閣僚は、諸外国からどう見えるのだろうか。イワナの世界から見たら、日本人は飽きもせず資格に乏しい人材を大臣にしてはコロコロ変えて、悪食だなと思われているだろう。