2016年2月20日土曜日

小さな港で能登の「らしさ」を切り取る

一泊目の田中旅館には、「まれ」撮影の関係者やら有名人が訪れている写真が残っていた。輪島からそう遠くないところで、海側に絶景があるというわけでもない、かえって瀟洒なものがないことの価値が、彼のドラマの筋立ての中にも使われて、日本の原風景を見ることができたのは共感があったものだろう。


 今風の観光立地で金科玉条のように重きを置かれたら、この地の将来がどうなるのかと、おせっかいながら思う。その価値は決して「金勘定」のはずがない。よくあるレジャー施設が誘致などで、地元の生活やら価値が貶められる…とは個人的な妄想かもしれないが、生活の再生産がなりたっていれば、それも価値があることではないかと余計なことを思う。間垣が大沢、上大沢のいずれもきれいになったが、そのあり様を見てつまらないことを考えてしまった。

 間垣の修理が高齢になるにしたがって、難しさを抱えているという現状が見えなくなった。きれいになったことを悲しむということではないが、善しとすることなのかどうか言い難い気がする。田中旅館を出るとき、雨も降ってきたし、皆なんとなく大沢地区を離れることに異議はでなかった。天候の具合もあったしこれまで撮った以上のものが手に入るのかという判断だったのだろうか。

 輪島に向かう途中、実はこれも以前には立ち寄ったところなのだが、「鵜入港」で車を止めた。道路の上から俯瞰してみると小さな港で歩き回りやすいと見えるところだ。上の道路で車を止めて結構な時間を使ってカメラに収めた。