2013年7月27日土曜日

「ダイジョブ」でなく、「イイネ」でもない日本

 殺人放火容疑で不起訴となった元警部補は、ニュースを見ていてなんだか腑に落ちないことだらけだ。殺人や放火という重大な事件を不起訴だから、どういうことなのか。本人は地方公務員法(守秘義務)違反の罪に問われて、これは懲役一年執行猶予四年の判決だった。昨年の12月に知人の会社役員夫婦を殺害、放火したとした容疑で逮捕された。

 以降9カ月間拘留されて取り調べを受けたが、放火殺人の容疑は認めていたという。「検察の取り調べ」は、自白をねつ造する場合もあるから、文字通りの解釈はしていいのかどうかわからないが、長期間に裏付けるなにものもなかったということになる。不起訴にする場合はおおむね二つのケースが多いようで、訴訟条件がある場合は明確な除外事項以外では「犯罪の嫌疑が認められないか、不十分である場合」「起訴の必要なしと検察官が判断する場合」となっている。

 いずれにしても、公判維持に耐えられないということだから、事件は「ヤミ」のままということだ。遺族が検察審査会に申し立てするのは当然のことだ。しかし、もし違っていたら、真犯人がいるということ。今の状態では両方否定しきれない。十分な手が尽くされた調査だったのかどうか問題だ。

 TPP交渉が始まって、3000ページもの文書を読み込んで、100人体制で内容を確認する作業をしている。これまでのニュースで交渉の余地があるとは思えないが、4年間も表に出せないという約束ができあがる。まったく内容がわからないまま、年内妥結!なんて冗談でしょうと言いたくなる。たった、5カ月の間?なにもわからずに?

 別件逮捕で9か月拘置して、なんだかわからない不起訴という検察の対応をみて、行政機関の働きのお粗末さと、日本の国の在り様の不快さをまた感じる。