2014年3月14日金曜日

地方自治体への支配介入はおかしい

復興のためと称して国家公務員について20122013年で7.8%削減をした。地方公務員の給与もこれに準じて削減を強要したが、昨年10月の段階で市町村の3割が「民間の賃下げにつながりかねない」などの理由で応じなかった。政府はこれまで要請に応じなかった自治体に制裁はしないと明言してきた。
2013年度補正予算で、「がんばる地域交付金」870億円が計上されたことに伴い、この配分については給与削減したところしないところで差別つけた。

「給与を削減した行革に熱心な市町村への配分を手厚くした。制裁には当たらない」という説明で、給与をカットした財政力の低い市町村には、公共事業費の最大四割、削減に応じなかった自治体には、原則三割の補助とした対応をするという内容。「原案通りだと、配分額の格差は数千万円の見通し。市町村財政や住民サービスに深刻な影響を与えるほどではなく、『見せしめ』の色彩が強い。」という批判も出た。→(東京新聞33日)

だいたい、復興の進展がどれだけのものかと問われるところ、公務員の給与を削減して財源に充てるということが、復興につながっているのか問題にされなくてはいけないだろう。それが末節の議論としても、公務員の給与は現行では任意で余念なく決められるようにはなっていない。法律と条令で民間給与との比較で差がある場合の是正をすることになっているし、議会で審議して給料表を決めるのだから、政府の思惑で変更をするという余地は本来あってはならないことだ。政府の要請に応じて給与削減をした自治体は、給与原資となる地方交付税の配分額が減らされたため、大半が応じざるを得なかった。全くハラスメントと同様の仕打ちだ。

「地域の元気創造事業費」が、2014年度は3000億円と計上されている。これも同様のやり方で配分される。給与削減に応じなかった自治体へのペナルティはするなという質問に応えて「職員数の削減率、給与削減、人件費削減率などを指標にして用いる」という総務省の答弁になっている。地方自治体は財政力がないところが圧倒的に多い。そこに付け込んで、交付税配分で注文を付加するということは横暴なことだ。2014年度予算で地方交付税額を減額しておいて、「地方交付税に上乗せしてきた『別枠加算』を、前年度より三千八百億円減らして六千百億円とすること」にするというのも地方財政運営に対して困難さを増幅する問題だ。


東北の復興のために応援派遣している自治体のうち37%が3月で応援職員を引き上げるという。埼玉県飯能市では、市の業務との関わり合いでもう派遣は無理だということだ。政府はこうした実情を踏まえた対応を強力にやるべきであって、意に沿わない自治体には金を減らすというバカげたことは止めるべきだ。地方自治体の応援任せで、なおかつその自治体の定数減や職員の給与削減を迫るということは誰が考えてもおかしいだろう。公務員の賃金もリーマンショック以降削減が重ねられている。「回りまわって勤労者の賃金が上がる」などいう冗舌はやめた方がいい。