2013年9月29日日曜日

アイゴの食害で神奈川の海にも磯焼けが起きている

 アイゴは海釣りでときどき釣れる魚だ。背鰭、腹鰭、臀鰭にある棘に刺されると大変なことになる。汽水域にも生息するらしい。毒棘をもっている魚として釣りをしているほうからは、敬遠されがちだ。
この魚は本州・朝鮮半島南部から琉球列島、オーストラリア北部まで、西太平洋の熱帯・温帯海域に分布する。磯臭さもあるので、人や地域により嫌われるが、徳島県や和歌山県などでは美味な魚として食材とされている。磯臭さを除けば肉質は悪くないし、白身で刺身、洗い、塩焼き、煮付けなどで食べられるとか。

 ところでこのアイゴは海藻が主食で、甲殻類や多毛類も食べるらしい。だから釣るときはサツマイモが餌となるとか。稚魚はプランクトンを捕食しながら全長3cm程度まで成長すると、沿岸域に大群で集まり、海藻を食べるようになる。夏から秋にかけては、港などで餌を漁る全長数-10cm程度の若魚の群れが見ることがある。

 神奈川県水産技術センターの工藤孝浩さんが、メールマガジンに載せた内容では、1990年代末ごろから南日本におけるいくつかの藻場の消滅は魚の食害によるとの説が唱えられ、懐疑的な意見もあったものの、近い将来神奈川県にも現れるだろうと予測されていた。そして、2004年に小田原地先の人工リーフのカジメが短期間に消滅する「事件」が起こり、それが県内初の魚による藻場食害の事例で、アイゴによるものと推定されたとのこと。アイゴが海水温の上昇で北上してきているということだ。海水温の上昇は海の生態系にも、おおきな影響を与えている。

 磯焼けは、アイゴの食害だけの原因ではないだろうが、温暖化という事態を引き起こした「人為」が引き金になっていることには違いない。
 国連の気候変動に関する政府間パネル総会で、温暖化の原因は人為起源の温室効果ガスである可能性が大きいとする報告があった。その「確信度」を、90%から95%上に引き上げたとのことだ。朝日新聞のタイトルでは「温暖化、人が原因」とばかげた書き方をしている。人の生活活動のどこにその原因があるのか、「温暖化、経済活動優先が原因」なら、合点がいく。身の回りの電気製品を備えさせ、供給電力を拡大させたのが「人」ではくくれる筈もない。