2013年10月1日火曜日

南三陸町防災庁舎は解体される

 南三陸町防災庁舎は解体されるということだ。保存には遺族の感情もあるし、残すための財源もないという事情を抱えている。住民を避難させるために津波で命を賭して、仕事を全うしたということには、公務員への「いわれなき中傷」に応えたという意味でも残して置きたい話だと思う。しかし、遺族の感情もあることだし、周りであれこれ勝手にいうわけのもいかない。
 
 ただ、公務員とて人なのだから、美談ですませるだけではなくて、遠藤未来さんが助かるべき方法も想定していなければならなかっただろう。少なくとも3階建の防災庁舎はダメだったわけだ。公務員でも事業所でも今の仕事スタイルから見ると、人としての当たり前のことが認められてない。いかに参加型を装っても上意下達と自己責任はまぬかれない。津波で庁舎が破壊されて、命を落としてしまった美談と、「人間魚雷・ゼロ戦」と同じであっていいはずがない。

 昨日「NHKスペシャル 追跡復興予算19兆円」をみたら、復興予算は各省庁が予算要求したものに配分しているが、そのうち数十パーセントは「流用」だという。例えばコンタクトレンズ製造の会社が補助金を受けているのが、生産することで復興地の売り上げがあがり、雇用する人が増えるという理由になっているという。火事場泥棒的なやり方だ。
 南三陸町の防災庁舎が、財政難がネックという事情も、「金」の流し方ではいくらでも官僚の知恵を借りることができるのではないか。