2014年3月11日火曜日

3.11から3年たって

 昨夕の首相の記者会見を見て、一見随分復興が進んでいるかのような錯覚を持った。日頃の様子と相当開きがある。今日の朝日新聞のタイトルは「避難民26万人 遠い復興」だ。やっていないものをやっているかのように描くやり方は国会答弁と同じだ。耳に残ったのは「常磐自動車道の繰り上げ開通」だった。
 道路は必要ないとは言えないが、復興にあたって関らず優先させる課題なのだろうか。かつて「道路をつくった」ことで、「偉い人、政治力のある人」との評価を票に結びつけて首相になった人もいた。地方の道路建設に対する要求はあるとしても、力点にするようなことだろうか。


 最近になって、建設資材や人手の不足などという問題を言い始めた。2020年オリンピック招致にあたって、すでに建設業界などから出されていたことだった。五輪関係施設と臨海部使用チャンスと住宅開発、関越トンネル落盤事故で表面化した、トンネルや橋梁のメンテナンス、東京大改造計画まで加わった。「この機」に乗じた「儲け口」はまさに売り手市場。復興が一番でなくてはならないことは誰が見てもわかる。棄民とか植民地にしているとかという言葉は首相の耳にはいっているのだろうか。復興のための五輪などとのうたい文句で招致したこと、リップサービスにしておけない。今度は「資材、人手不足」を理由に復興の遅れを当然視する気か。記者団の質問にあらかじめ用意してある文章を読みながらの回答。まるでヤラセの記者会見をみて、むなしさ倍増した。

2011.10月


スクリューは海にはいっただろうか