2012年6月20日水曜日

法は誰のために定めるか


 介護保険料は年金から天引きになるし、国民健康保険は「振替が原則」とまあ、ムダのない徴収に随分と手回しが良い。利便さは徴収する側の手を煩わせることなく当局の金庫(銀行)に入るわけだ。確かに払う側の手数が減るのは違いないが、払い方ぐらいは、どう払ってもいいだろう。そういう自由はないのか。

 振替が原則だという根拠を問い合わせてみたら、「規則」でうたってあると担当者が言う。最近の改正で決めたとか。「普通地方公共団体の長は、法令に違反しない限りにおいて、その権限に属する事務に関し、規則を制定することができる」と地方自治法が定めてあるから、できることではあるだろう。

 しかし、守らないとどうなるのかで言えば、「法令に特別の定めがあるものを除くほか、普通地方公共団体の規則中に、規則に違反した者に対し、5万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる」とあるから、場合によっては(区には確かめていない)定めた可能性もある。

 中野区の公式ホームページからは検索で出てこないから、聞く以外ないけれども、万一定めていたとしたら訴訟の対象になる事柄ではないか。改定規則がHPにも公表がなくて、周知されていないとしたらこれも問題だ。(法律の制定たるものはこれで済んでいる)

 振替で払わなくとも納付すればいいわけだから、方法は問えないと思うのだが。ほかの「税」の場合も、一般商取引でも支払方法は選択できるはずだ。


規則が検索できないかわりに中野公式ホームページからこんなものはでてきた


  
 中野区  平成24年度の債権管理方針(経営室)






 公務員の政治活動に条例で罰則を定めようとした、橋下大阪区長さん。政府から待ったがかかって、地方公務員法に定めがあって懲戒処分ができるから条例制定は地方公務員法違反ということ。ここは素直にあきらめたらしい。

 法律の専門家がこれでは…とも思うが、自分(自治体の長)がいいと思えばなんでもやるという風潮は、当たり前になってはいけない。もっとも知っていてやっている節もある。