2013年4月13日土曜日

立派な料理とお酒

 ちょっと贅沢な旅は、我が家の一番の楽しみ。普段の生活では、外にも出ることが少なくなった爺婆ちゃん。もう30年以上も続いているが、唯一の楽しみは温泉旅行で年に1、2回の日本経済への貢献になる。今回は箱根だ。

 旅館の身障者の受け入れ態勢は、まだまだのようだ。部屋で介助しながら温泉に入れなければならないとなると、場所も含めて選択肢はすくない。値段も張る。自分だけで行く釣り宿なら、安さに越したことがないのが選択肢になる。回数を稼ぎたいから当然そうなる。だからもったいない温泉旅行だと思うのが本音。春先の残雪がところどころに残る早朝に、渓流釣りをして朝食前に入る温泉は何とも言えない。外気で冷えた体を湯につけると、手先がチンチンと暖まりはじめる。その感じは他に代え難い味わいがある。

 同じ温泉も、豪華な部屋付きとなると幸福感もないわけではないが、なにかが違う。旅館の案内を見たら、有名な酒のメニューと値段が書いてある。酒飲みには旨いと分かっている酒だから、親切な案内だ。でもその値段が実に「いい値だ」。値段を気にして飲むのは面白くない。旅館のすぐ入口にローソンがあるので、そこで酒を買おうと外に出る。庭の山桜が咲いて、真っ赤な椿も見える。写真を撮りながら下の降りていくと、枝垂れ桜が見えたので、他人の庭らしいがちょっとお邪魔する。

 コンビニで買いいれたアルコールを夕食前に口に運びながら、いつもと変わらないと妙な感傷にひたる。間もない夕食時にはビールを一本注文して飲み、無くなったころで「酒」を進められた。もう要らないというほど飲んでいないので、結局高いアルコールを註文することになった。どれをとっても立派な料理に、高いお酒も合わないわけではなかった。