2013年4月3日水曜日

絶滅危惧種に効果的な一手がほしい


 2月1日に環境省が野生生物を分類した「レッドリスト」中、汽水・淡水魚類の改訂版を公表した。だいたい5年ごとに改定しているが、汽水・淡水魚はなぜか昨年8月の改定時に外されていた。動植物の絶滅危惧種はこれで合計10分類3,597種となった。

 不漁が続くニホンウナギを絶滅危惧種に指定した。50年前には3000トン前後採れたものが、近年10分の1以下200トンまで落ち込んでいるということで、ウナギの生息環境改善や漁獲抑制などに取り組んでいて、2013年度に18千万の予算も組んでいる。保全対策がとられているので捕獲抑制まではせずに、絶滅危惧1B類で「危険性が高い」部類とした。

 淡水魚の生息環境も例に洩れず、かなりはやい速度で壊れていっているというのは、釣りをやっているものの実感だ。護岸だの堰・ダムなどなんらかの人工の改変によって、従来の河川は生物の多様性が保てるような状況ではなくなっている。だから、魚も繁殖していくことができず、少なくなっていく。

 この日曜日にフナつり大会をした与田浦周辺の、フナの生息環境も「悪化」していると、心配をしながらも、漁協の放流に期待をするだけの状態だが、この地で50年前に魚を獲っていた方の話を見つけた。
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…話は、私が小学生の頃に遡ります。今から55年ほども前のことです。私の母方の実家は千葉県佐原の水郷地帯にあり、夏休みのたびに1ヶ月間ずっと遊びに行っていました。そこで地元のお兄さんたちに連れられて毎日のように魚獲りをしていました。水田脇の水路で四手網に追い込むとバケツが満杯になるほどタナゴが獲れましたし、透明度の高い川面を覗き込むと魚たちの群れが通り過ぎて行くのが見えましたから、それを銛で突いて遊んだものです。当時は魚の種名も知りませんでしたが、今から思えばタナゴ、フナ、コイ、ウグイ、オイカワ、モツゴ、ナマズなどが獲れていたように思います。とにかく50年前には魚の数は極めて多かったことを覚えています。…

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BB防除ネットワークの小林さんだった。

 絶滅危惧種に指定して、目に見えるような手を、環境省なりが打っていただくのはよろしいことと思うけれども、ウナギが日本の食になじんだ食材だから、金を使うというだけではなくて、生態系の復活にむけた対策がもっと欲しいし、いま必要なのではないのだろうか。外来魚の攪乱も含めて、水辺は危機に瀕している。子供たちが遊べる水辺が復活できれば、人間の成長に大きな効用が期待できると思うのだが。