2017年11月22日水曜日

どんどん造って売ればいいのか

 日本の車は、2016年総国内生産8713893台で国内総需要の497万台を大きく上回っている。輸入もあるから400万台以上を輸出しなければならないことになっているとのこと。日本では「いらないもの」を余分に作っているのが実態だ。生産はその「余分」を加えた必要量が働き手の労働(タクトタイム)となる。
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タクトタイムとは
顧客から要求された品物を1つ造るのに必要となる時間もしくはピッチをいう。これは機械能力や人員数によって決められるものではなく、市場から要求された生産数量と稼働時間が判断基準となる。算出する式は次のとおり。
1日当たりの生産数量=1ヵ月の生産数量/稼働日数
タクトタイム=1日の稼働時間/1日当たりの生産数量(日当たり数)
それゆえタクトタイムで物を造るということは、「顧客・市場の要求する必要数によってラインピッチを決める」ための平準化生産を意味する。
と説明される。
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 放送大学でトヨタの生産工場のタクトタイムを取り上げていた。秒単位で動作をこなすことが、工場で動作がひとつひとつ計測されて、遅れがあると担当者(グループ責任者)が飛んで行って援助するのだという。「分刻み」とは聞くがいまや秒刻みで動き回るということだ。この60秒単位はどんな運用がされているのだろう。トイレやら休憩やら、汗拭き時の寄ってはくしゃみなどは60秒の中に当然考慮されるべきだろうし、60秒のつなぎはどうなっているのか。
 この組み立てラインの所要時間は当然習熟に伴う短縮が要求されるのだろう。日本メーカーの総世界生産は201627433140台。中国の販売台数は2802万台と並ぶ程度というすさまじい生産台数だ。これが非正規雇用、季節労働者として雇用調整されている。生産量の果てしない上昇とそのための軋轢が、どれだけ日本の国のためになっているのかという疑念が湧いてくる。

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2017130日、日本の各自動車メーカーから2016年の生産台数実績が一斉に発表された。その数字は以下の通り。
メーカー名/世界生産(前年比%)/国内生産(前年比%)
トヨタ/8973988台(100.5)/3166338台(99.3
日産/5556241台(107.5)/950102台(108.9
ホンダ/4999266台(110.0)/820226台(112.3
スズキ/2945295台(97.1)/794244台(84.7
マツダ/1586013台(102.9)/977376台(100.5
ダイハツ/1274219台(105.5)/722848台(103.7
三菱自/1073514台(88.1)/555018台(87.3
富士重工/1024604台(109.2)/727741台(102.5
トヨタは単体だと上記のとおりで、ダイハツ、日野を合わせたグループで世界生産は10213486台となる。また、富士重工は前年比9.2%プラスと好調を持続しており、初の100万台超えを記録した。国内生産をみるとトヨタは300万台以上をキープ、その他、スズキと三菱自以外のメーカーは台数を増やしている。
日本メーカーの総世界生産は27433140台だった。中国の2016年販売台数は2802万台と発表されているので、ほぼこれと同レベルということになる。また、総国内生産8713893台で国内総需要の497万台を大きく上回っている。輸入車を勘案すると最低でも400万台は輸出しなければならない計算になる。(webモーターマガジン

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