2014年9月3日水曜日

温暖化で抜き差しならない日常

O-157の感染源については、まだわかっていないことが多い。アメリカでは、牛肉・乳製品が最も多く(約51%)、それ以外ではサラダ(約19%)、人から人へ(約12%)、飲み水・プールの水など(約12%)、アップルサイダーとのこと。アメリカの食環境に入り込んでいるらしい。このところ日本では出てこないが、夏から初秋にかけて発生しやすいと。これも気温上昇による要因があるようだ。

温暖化による海水温上昇が沿岸漁業に与える影響も相当あるらしい。1990年以降日本海の定置網にかかる鰆が増加して、地球規模の気候変動との関係が報告されている。福岡県筑前海の鰆も、冬季に漁獲があるのだとか。獲れる魚が違っていることで、食文化にも影響を与えている。サンマの南下が遅れて、この時期北方の遠方へ行かないと獲れなくなっていることが増えた。エサの補給源である栄養塩が高温によって沈み込んだままの状態であることが影響しているのだろう。昨日のNHKの報道で、栽培漁業にもその影響があり、ヒラメの養殖では、水温が高いため死んでしまうヒラメがでてしまっているらしい。高水温でも生き残れるヒラメを、研究しているとか。いよいよ天然ものものからは遠ざかる事情だ。

ヒラメは韓国産とほぼ同等の「生産量」なっているから、競争もし烈だ。日本のヒラメを食するのはいつまで可能かというところまできた。加えて養殖では避けられない細菌性の病気対策も大きな問題だ。ヒラメのエドワジュラ症、ブリの連鎖球菌症、細菌性溶血性黄疸などあり、淡水魚でも有名なアユの冷水病、アマゴの細菌性腎臓病、ニジマスの連鎖球菌症等、自然界では問題にならないだろう病気が、養殖環境の中で伝染する。

人間の側が、自己都合で改変してしまった自然の環境のなかで、生き残っていかなければならない魚には残酷な話だ。
デング熱は東南アジア、中南米などで発生しているものであるのに、媒介する蚊が代々木公園に生息している。気温の上昇で熱帯に近くなっているということだろう。温暖化が外来生物の「国際化」にも及んでいる。いわば人間の世界が誘導している。長い時間をかけて生息環境になじんで変化してきた生物に、重大なストレスをあたえたままでいのか。