2016年10月31日月曜日

ちょっと悲哀なハゼ釣り

 昔の職場の人の誘いで、「ハゼのてんぷら船」の催しに参加した。大人5人と「子供」10人。子供と言っても20歳代の若者だから自分の子供よりも若い人たち。集合時間に少し遅れたりして…とは言え職場の互助行事なのだからきっとメインはてんぷら船の魅力というほうが大きいのだろう。こちらはこの機会にハゼ釣りを楽しもうという腹だから、気合が違うのは否めない。

 若者には仕掛けをセットしてあげて、釣りの楽しさを味わってもらえれば、「釣り愛好者」が増えるかもと、釣りを楽しめる人生がいいものだという気持ちをもってもらいたいと、余計な手出しを試みた。10人いるうち釣りを経験したことがある人はほんのわずかだった感じだ。仕掛けをセットして釣り方の講釈をのたまわって順に回った。釣り場が木更津湾ということで、時間もたっぷりあったので、急がずにやることができた。

 木更津港に着いて、どのくらい釣れるかは想像もできず見ていると、たまにしか針にかからない。それでもたまにハゼが釣れたことで歓声を上げて大騒ぎしている。横目で見ながら釣れていないとき、ときどきそばに行って、ああだこうだと先輩面の「アドバイス」をする。女子はやっぱり餌つけができない。最初は仕方がないと思いつつ、たくさん釣れて来ればいやでもつけるようになるだろうと、餌もつけてあげる。そういえばアオイソ餌をつける道具も以前あったが、まず使用に耐えない。

 「虫」にも慣れていない世代なのだろうから、やむを得ないことかもと思いつつ、自分たちが育ってきた環境との違いに哀れさを感じる。「てんぷら」の時間になって本番の楽しみを味わって、後半になったがまだ釣れない人もいたので少し援助。隣の男子は仕掛けを絡ませている。船頭さんが付けたハリスが、ちょっと長すぎてからんでいるので短めに切ってあげる。船頭さんがなぜ長くつけたのかわからない。

 シロギスの仕掛けなら長くてもいいと思うのだが、ハゼで長い仕掛けを使ったことはない。竿は貸し竿でシロギスのものだからハゼとは違うものだが、備えはこれしかないとのこと。ハゼ釣りを船でやる場合に素人向けを対象としていない。ハゼは今頃の時期から深場に入っていくから、落ちハゼ狙いという玄人筋の楽しみになる。だから素人が対象外になっているのかもしれない。

 ともかく若者は大変なハンディを背負いながらハゼ釣りに挑戦した。見ていて釣り方に個性があるのがまた面白かった。また行きたいと思ってくれればいいなと期待を持ったが、釣れたハゼをほとんど持ち帰らない人ばかりで、釣り先輩としては喉に骨が使えたような気分が残った。そんな話を鮫洲の駅隣のホルモン焼き店で、大人たちが一杯やりながら交わした。

写真は、釣れた魚を冷やすクーラー用の氷。そんな備えはない。缶ビールを冷やすのには効果的だった

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