墓参りの帰り道は、蔵王で宿泊する道の途中にある米沢を通ることに決め、初日に行った砕石場に寄ることにした。もう一度行って、途中で断念した「山道」を歩きて行ってみようと考えた。
初日の時には、砕石場の少し下流(1.5キロほど)に小さな部落があり、その端から山道のような通路があって、砕石場に近づけそうだった。車で入って行くとどうなるかという心配があって、行くのを断念していた。その道の先は地図で見ると砕石場に近いところだし、なんとか近づけられれば写真が撮れるかと、車を降りて歩いてみた。
道は車一台がやっと通れるくらいの幅で雑草が中央に映えていて、往来ではあまり利用されていないふうだった。どんどん歩いてみるが、一向に山が見えてこないので、歩くにしたがって少し不安が募ってくる。「クマの行動」が頭をかすめるので、スマホを取り出して「合唱曲」を最大の音量にして、片手で振って歩いた。道の両側は針葉樹の森で、クマが好きそうな広葉樹林ではなかったのが幸いだった。
突然視界が開けて、現場が見えてきた。T字路で過度に看板が立ててあり、「発破をかけたから近寄るな」と書いてある。もう少し行ってみたいが、広くない道路はタイヤの跡がたくさんあり、行けば出会わないとも限らない。行くのは止めてその場で200ミリの望遠レンズを据えて写真を撮った。