2016年7月8日金曜日

フランスの渡り鳥の羽が短くなったのは「他人事」でない

 今朝のNHKで報道していたフランスの鳥の話。温暖化によって渡り鳥が長距離を飛ぶ必要がなくなって、羽が小さくなっているということだった。写真によると確かに翼の先端がとがっていた羽のものが、短くなって丸みを帯びて全体が小さくなっている。数十年での変化ということで、鳥の「進化」にも影響を与えている人類の営みを考えざるを得ない。対動物に限らず人間同士の社会にも様々な影響がないとは言えない。そこに思い至るのが人(類)以外にはないので、責任は大きい。

 ところで参議院選挙の報道では、NHKの政見放送以外はほとんどそれに関する報道がない。安保関連法、アベノミクス、TPP、憲法、子育て、教育など身近な問題の政策議論は、報道ではさっぱり取り上げられない。

 今日の「羽鳥慎一モーニングショー」で、高知県でやったアンケートでは、「3分の2の議席で改憲」ということは知っているか?という新聞社の問に「わからない」という回答が圧倒的に多いということが紹介されていた。モーニングショーでは、知事選へ向けてのテーマを取り上げていたが、このときに知事選挙のことばかり伝えてよいのかという疑問が出されて、この話題になった。

 長嶋一茂氏が「『3分の2』の話私も知らなかったよ」と発言し、羽鳥慎一氏が「高知県のアンケートでそういう結果なのだからそうですよ」ととりなしていた。報道機関が政権を斟酌して「自粛」しているということはよく聞くが、まさに選挙告示後になると選挙の話題はきれいになくなってしまう。

 それどころか知事選挙の立候補予定者の動きばかりを、これでもかと伝える。この参議院選挙で、どういうことが進められようとしているのかということには、目を向けないようにしているという意図を感じざるを得ない。選挙の度に重ねられるこうした動きに、「目隠しされたまま」で、投票率の低下が生じまたそれを政権党が有利な選挙制度で結果をもぎ取ることが続いていいのか。

 ベッキーだの清原だのの話題を取り上げるなとは言わないが、適当なあしらいでいいのではないか。生活と将来に深くかかわる問題、憲法やら戦争やら、経済や税金、格差やら貧困やら教育の問題を政治のこととして、改善の道を考えあっていくべきだし、解決を迫っていくことで短兵急な犯罪の土壌を生んでいくことを防ぐことになっていくのではないか。

 政治を考えにくい日本人が作られて、押し込められては、フランスの「渡り鳥の羽」になって、飛べない鳥になってしまうのではないか。いや、すでになっているのかもしれない。

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