2014年3月15日土曜日

Jリーグの対応でみるNETの効用

 “JAPANESE ONLY”の差別的横断幕についてのあとの展開は速かった。39日に行われた試合で、この事件が発生し13日にはJリーグのチェアマンの記者会見で、制裁を含む対応が示された。スポーツの世界で明快に対処を決めたことに、すっきりした感じを持った。最近グタグタした事件がちっとも整理されないでいることが多くて、生煮えの料理を食べているようなことが多いから、こういうニュースなら歓迎だ。

 Jリーグチェアマンは「この数日間のメディアやインターネット上での露出状況のほか、この行為の反響が海外にも波及していることからみて、社会的影響は想像以上に大きく、Jリーグおよび日本サッカー界全体のブランドイメージを大きく毀損していることは、もはや明白であると思います。」と記者会見で語って、無観客試合という厳しい制裁を科すという発表をした。

この数日間のメディアやインターネットの反応を言っているが、メディアの方はつぶさに見ていないからさておくとして、NET上の動きは速かった。NET署名で呼びかけられたのが11日だったから、その二日後にはJリーグの記者会見になった。Facebookでの拡散もあったが、このネット署名も効果的だった印象が残った。

昨日(14日)の国会・総務委員会で吉良よし子氏がNHK籾井会長の罷免を迫ったとき、このJリーグ対応を取り上げて追及した。会長発言への視聴者からの意見は約3万2000件としたNHK側に「これほど寄せられたことがあるか」と質問。これまでは不祥事問題が最高で、同じ期間で5800件と答弁。NHKへの国民の怒りはこんなに大きい!一方で差別的横断幕で厳しい処分を行ったJリーグチェアマンは、「行為を行った側の考えでなく、受け手がどう感じたかに目を向けるべきだ」と述べ厳しい処分を決定。「NHKこそ受け手がどう考えているかに真摯に耳を傾けて会長罷免を決断すべき!」と求めました!←これFacebookから「コピペ」
(蛇足~「コピペ」とはコピーアンドペースト=パソコンの入力の時、文章や図をコピーして自分の編集しているものに貼り付けること。小保方氏が自分の論文からやってしまったと言われているが、私ごときでも他人のものを使う時には、断り書きする。)
 NHKに寄せられたのもメールによるものが相当数あるのだろうと思うが、NETが持つ効用は、確かに影響大というところだろう。いいことばかりではないが。







2014年3月14日金曜日

地方自治体への支配介入はおかしい

復興のためと称して国家公務員について20122013年で7.8%削減をした。地方公務員の給与もこれに準じて削減を強要したが、昨年10月の段階で市町村の3割が「民間の賃下げにつながりかねない」などの理由で応じなかった。政府はこれまで要請に応じなかった自治体に制裁はしないと明言してきた。
2013年度補正予算で、「がんばる地域交付金」870億円が計上されたことに伴い、この配分については給与削減したところしないところで差別つけた。

「給与を削減した行革に熱心な市町村への配分を手厚くした。制裁には当たらない」という説明で、給与をカットした財政力の低い市町村には、公共事業費の最大四割、削減に応じなかった自治体には、原則三割の補助とした対応をするという内容。「原案通りだと、配分額の格差は数千万円の見通し。市町村財政や住民サービスに深刻な影響を与えるほどではなく、『見せしめ』の色彩が強い。」という批判も出た。→(東京新聞33日)

だいたい、復興の進展がどれだけのものかと問われるところ、公務員の給与を削減して財源に充てるということが、復興につながっているのか問題にされなくてはいけないだろう。それが末節の議論としても、公務員の給与は現行では任意で余念なく決められるようにはなっていない。法律と条令で民間給与との比較で差がある場合の是正をすることになっているし、議会で審議して給料表を決めるのだから、政府の思惑で変更をするという余地は本来あってはならないことだ。政府の要請に応じて給与削減をした自治体は、給与原資となる地方交付税の配分額が減らされたため、大半が応じざるを得なかった。全くハラスメントと同様の仕打ちだ。

「地域の元気創造事業費」が、2014年度は3000億円と計上されている。これも同様のやり方で配分される。給与削減に応じなかった自治体へのペナルティはするなという質問に応えて「職員数の削減率、給与削減、人件費削減率などを指標にして用いる」という総務省の答弁になっている。地方自治体は財政力がないところが圧倒的に多い。そこに付け込んで、交付税配分で注文を付加するということは横暴なことだ。2014年度予算で地方交付税額を減額しておいて、「地方交付税に上乗せしてきた『別枠加算』を、前年度より三千八百億円減らして六千百億円とすること」にするというのも地方財政運営に対して困難さを増幅する問題だ。


東北の復興のために応援派遣している自治体のうち37%が3月で応援職員を引き上げるという。埼玉県飯能市では、市の業務との関わり合いでもう派遣は無理だということだ。政府はこうした実情を踏まえた対応を強力にやるべきであって、意に沿わない自治体には金を減らすというバカげたことは止めるべきだ。地方自治体の応援任せで、なおかつその自治体の定数減や職員の給与削減を迫るということは誰が考えてもおかしいだろう。公務員の賃金もリーマンショック以降削減が重ねられている。「回りまわって勤労者の賃金が上がる」などいう冗舌はやめた方がいい。







2014年3月13日木曜日

回りまわって一日90円の賃上げ額でおしまい?

 春闘の賃金要求に対する回答があった。大手の企業で「満額回答」などというところもあって、「いい回答が出ている」という連合(組合)のコメントが出されていた。トヨタは2700円だった。2兆数千億円も売り上げていてのことだから、回答するのは当たり前としても、要求額も含めて随分とささやかなものだ。

(独)経済産業研究所の専門論文では「製造業の賃金は、1993-1998年の期間には上昇、1998-2003年の期間、2003-2008年の期間については大きな変化が観察されなかった。」「一方、サービス産業は、1993年以降一貫して賃金は下がり、1993-1998年は-3.0%低下、1998-2003年は-7.8%低下、2005-2009年は-7.9%の低下とその下落率も拡大した。」とある。

また、同文で「日本経済は 2002 1 月を谷として景気が回復し、2007 9 月に山を迎えた。この景気回復は、経済成長率自体は低いものの、1965 年~1970 年における「いざなぎ景気」を超える 69 ヵ月と戦後最長の回復期間となった。この景気回復に伴い企業収益は回復した一方で、賃金が伸び悩み…」と賃金が抑え込まれていたことをとりあげている。経済成長率が上昇して、低くても回復基調にあったときにも、「経済の活性化がそのうち回りまわって…」などということは全くなかったということだ。このことは、国会でアベノミクスの実態を共産党に追及されて、経済界に「お願い」したことで白日の下にさらされた。


賃上げされたトヨタの2700円は一日90円だから、4月からの消費税増税分の穴埋めにもならない額だ。生活改善のはしくれにもならない。連合の組合が、組合らしからぬ業績を慮るあまり、これまでろくに要求もしないから、甘くみられている。企業の側はさっさと、「今回は例外だ」と予防線を張っているが、それならアベノミクスは「賃上げ一日90円」程度の経済効果かよということになる。30年近くも賃上げどころが、賃金を減額されていた分はいったいどこに行ってしまうのだろう。








2014年3月12日水曜日

この機に350億円かけて江戸城再建という「東京開発」

 江戸城天守を再建して、この国を夢と希望、自信と誇りを持てる国にして行こうではありませんか!
という呼びかけをして活動している江戸城天守閣を再建する会(認定NPO)がある。江戸城天守は、江戸幕府の権威と権力の象徴だったが、今はその再建のために、国の財産を費やす時節ではないと判断し、先に延ばししたままになっていたものを、今やろうという話だ。

 要は観光立国として、世界遺産も視野に入れた活動をしていこうというもの。2020年五輪招致を機に、東京に観光客を呼び込もうという狙いがたてられている。「この『江戸城再建』のような、魅力と活力に溢れた新しい国づくりが、経済成長という意味でも一番説得力のある、大きなテーマになるのではないでしょうか。」と不動産業界が使うような文言が並べられている。

 昨日の3.11関係の報道は一様に、復興の遅れを表象する内容だった。復興の遅れは、避難先の生活が余儀なくされ長くなる分だけ、元の居住先に戻ることができなくなっていくことに結びついている。一日前の安倍首相の「甘言」とのかい離は大きい。

 オリンピック開催に乗じて、「東京改造」がさまざま狙われている。「東京を経済特区にして」と桝添知事も加速する側にある。一方では、大災害の時はあてにするものはそうないから、何日か分の備えを個人の努力でやりなさいという程度の対策に任せるだけ。環状7号線の内側に超・高層ビルを増やすことが、災害発生の際の被害度合いを高めることになる。今は死語になっているようだけれども、一極集中をもっと進めることしかやれないのだろうか。「経済」のためにはすべての投資先を拡大するといういいのか。これでは少なくとも、東北復興を見据えてはいない。

 江戸城天守閣を再建する会が言っている「保科正之の英断が、それ以降200年にわたる江戸期の社会の平和と安定の礎(いしずえ)となり、元禄、文化・文政の江戸文化が花開くこととなりました。」と江戸城再建を止めていたことの評価をそのままいただいておけばいいような気がする。「今、天守閣造らなくてはいけないの?」と。










2014年3月11日火曜日

3.11から3年たって

 昨夕の首相の記者会見を見て、一見随分復興が進んでいるかのような錯覚を持った。日頃の様子と相当開きがある。今日の朝日新聞のタイトルは「避難民26万人 遠い復興」だ。やっていないものをやっているかのように描くやり方は国会答弁と同じだ。耳に残ったのは「常磐自動車道の繰り上げ開通」だった。
 道路は必要ないとは言えないが、復興にあたって関らず優先させる課題なのだろうか。かつて「道路をつくった」ことで、「偉い人、政治力のある人」との評価を票に結びつけて首相になった人もいた。地方の道路建設に対する要求はあるとしても、力点にするようなことだろうか。


 最近になって、建設資材や人手の不足などという問題を言い始めた。2020年オリンピック招致にあたって、すでに建設業界などから出されていたことだった。五輪関係施設と臨海部使用チャンスと住宅開発、関越トンネル落盤事故で表面化した、トンネルや橋梁のメンテナンス、東京大改造計画まで加わった。「この機」に乗じた「儲け口」はまさに売り手市場。復興が一番でなくてはならないことは誰が見てもわかる。棄民とか植民地にしているとかという言葉は首相の耳にはいっているのだろうか。復興のための五輪などとのうたい文句で招致したこと、リップサービスにしておけない。今度は「資材、人手不足」を理由に復興の遅れを当然視する気か。記者団の質問にあらかじめ用意してある文章を読みながらの回答。まるでヤラセの記者会見をみて、むなしさ倍増した。

2011.10月


スクリューは海にはいっただろうか




2014年3月10日月曜日

国会前の空にヤマメとコイが脱原発をアピールした

 原発ゼロ☆大統一行動に、渓流9条の会と一緒に参加した。釣ざおにヤマメとコイをつけて国会前を歩くとすぐに、外人の女性に写真を撮らせてと頼まれた。「グー」と声をかける外人も。国会前の一角に陣取ってスピーチを聞き、シュプレヒコールに合わせて、目立つアトラクションを振る。国会前の空を泳ぐヤマメは前回の時には、東京新聞の写真にバッチリ写っていた。釣竿を伸ばした先の、旗や幟の上にあるヤマメトコイのぼりがよく目立つ。

 
 原発事故以来の「原発なくせ」の声は、「若者」たちの新しい感覚で運動が引っ張られている。太鼓やギターの鳴物入りも、シュプレヒコールのテンポも、創作した原発反対の歌も、一昔体験した、デモ・組合動員と一味もふた味も違ったアピール法で圧倒される。終わったあとの飲み屋での話も、「昔は…」とその違いを味わって、これから先もやっていこうと、「若者並み」の気持ちの披瀝があった。


実によくできている







2014年3月9日日曜日

鵜の目鷹の目の不動産、建設業界

 2020オリンピック目指して、不動産業界が期待をしているとの記事があった。「コンパクト」がコンセプトといっても、関連事業含めてどれだけの規模になっていくのだろうか。整備するのはむろん民間業者だ。
 選手村は青梅地区で約44万㎡。居住ゾーンは五輪後に住宅として、恒久施設として利用する。民間業者が開発したものを、開催中は組織委員会に「貸し出す」。賃借料は38億円だそうで、しっかりとしたソロバン勘定もできている。周辺の青梅地区で、超高層マンションの規模が1万人以上の可能性もあるという。

 加えて目玉で利用されるのが豊洲新市場。20163月には完成見込みで、東京都が地域活性化を目的として、「千客万来施設」として整備する。延べ面積は現状の23万平方メートルから40万平方メートル以上に拡大させる。千客万来施設も、民間事業者が整備する。市場に隣接する約17000平方メートルを、事業者が30年間の定期借地で借り上げる。公募型プロポーザル(主に業務の委託先や建築物の設計者を選定する際に、複数の者に目的物に対する企画を提案してもらい、その中から優れた提案を行った者を選定すること)では、「多種多様な飲食・物販店舗」、「観光客をおもてなしする施設」などの条件を付けた。

 それにカジノ施設の誘致先としても周辺が狙われている。交通インフラ整備の機運が「高まっているのは確かだ」という判断で、江東区は、東京メトロ有楽町線を延伸し豊洲駅と半蔵門線の住吉駅とを結ぶ計画を検討。中央区は、環状2号線を利用して晴海と銀座とを専用レーンで結ぶバス高速輸送システム(BRT)の構想もある。青梅地区、有明北地区などの「空き地利用」に五輪開催の大義が使われる。

 有明北地区の「原っぱ」は埋め立ててから14年たっても、空き地のままだった。「有明アリーナ」は新規に建設される。25日の報道で、液状化の被害調査で、東京では3.11の影響で確認されていたより2.7倍あったという調査結果が出た。防災対策が言われているが、南海トラフ起因の地震が現実性を帯びているときに、液状化が起きる心配をしなくていいのだろうか。豊洲新市場の汚染土壌に多少の盛土をしたくらいでは、対策にはなっていない。「観光客おもてなし施設」をつくるなどということが、移転の大義のなさを示していることでもある。2020年五輪開催で、「おもてなし」は必要としても、不動産、建設業界のもてなしではないかと思うところ大だ。

豊洲新市場の工事落札は、一度不調になって6割増で落札した。99.7%以上という恐るべき落札率。バレバレの額という以外ない。











2014年3月8日土曜日

NET界の効用

 NETの交流サイトが、犯罪と結びついている。といっても、「使いようと付き合い方」がこれから先も大事になってくる。犯罪にかかわる場合は、マイナーなことが増幅されることもあるみたいだ。アナログ世界で「受け入れられない」ときには交流サイトでも受け入れられないことはある。交流サイト(SNS)で受け入れてもらえると期待して、やってみても全部受け止めてくれるなどということはあるはずもない。

 NETの世界ではほとんど見ない(探したことはないが)けれども、NET上で表現することは、民主主義、公平、男女平等、人権、思想など、それこそ憲法の実現の見地とまでいかなくても、「ゆるい素養、約束事」が必要なんじゃないないだろうか。これから先も
NETの関わり合いがどんどん深くなっていく。関わらないでいるということを選択しにくくなっていく。

 選挙運動もそうだし、日常生活でもNETで本を購入依頼して翌日には自宅に届く。JRの新幹線の予約も割引で可能という利便性もある。知らないことは「検索」にかければ相当のことはわかる。だからしたがって、次第にはまり込んでいく「依存症」に陥ることにもなるのかもしれない。

NET世界の裏表をひとつ
井上哲士氏と春香スリスティーンさんとの対談



 たいした発言とも思えないが、ミヤネの番組と言えばなんとなく類推される。傍若無人なネット右翼の「攻撃」だ。匿名でだからこその仕業とも言える。





2014年3月7日金曜日

ブログを書くのが億劫な時は…。

 きょうのブログをなんのネタでいくかが、毎朝の日課になっている。何を書こうかと、前日から気にしながら種を探す。ウォーキングで歩き始めた時が一番浮かんでくることが多い。歩いて疲れたなという感じが出てくる前がいい。酸素を少し余分に吸って、頭の血の巡りがよくなったときに浮かんでくる。犬の散歩の「排泄」みたいで面白い。

 しかし、また寒さがぶり返してくると、外に出るのが億劫になったりもするから、そのときは、どこかからか種を拾い出さなくてはならない。新聞から拾うか、テレビか、交流サイトからにするか。でも、ぼんくらの頭ではしまってある入れ物が少ないから、周辺の情報はHPから拾い集めなくてはならない。その作業も結構なことになるときもある。そこのところがまた自分の知識の補てんをしてくれるところにもなる。そうしていると、知らないということは恐ろしいことだといつも思う。

 物事はなんでも相当複雑に深く、緻密な動き構成されているから、そこを素人なりにも、違えないようにしなくてはならない。なにかの専門家でもなく、ろくに勉強もしないものにとっては恥をかくことになる。その恥は十分かいているが、そんな心配をしていると書くのが億劫になってしまう。そういうときは書くのを止めるのが健康にいいかもしれない。こだわり続けると、「病」におちいる場合もある。交流サイトでもそういう動きが垣間見える。いつかは途切れることはあるだろうと、開き直りながらやることにする。一日一つぐらいは「努力」をするものがあった方がいいには違いない。


 維新の会の石原代表が、党の方針に造反して原発輸出を可能にする原子力協定承認案に賛成すると言って、若手から批判が出されたという記事があった。大阪市長選では、橋本代表が市長選挙で独り相撲をとって、浮かされている状況に陥っている。維新の会の終末が近いのかもしれない。きょうはこのテーマでブログを書こうと思ったが、なかなか広がる構成ができんなくて、前段に愚痴っぽいことを書いてしまった。でも、これで「一日一つの努力」ができあがった。




2014年3月6日木曜日

つりと写真の周辺作業で過ごした日

 昨日はつりの会の常会だった。4人が集まって3月の計画を考えようとしたが、不調だった。釣りをやる気持ちはあるが、足元の好い所でという絶対条件が満たせるところはなかなかない。夏なら岸壁座り込んでハゼ釣りというのが最適だが、今の時期はそうはいかない。フナつりがいいと思うのだが、乗り気でない。食べる楽しみがないから嫌なのかとも思う。どうしても釣りの機会が少なくなるかのだから、気持ちはわかる。

 それならば、マス釣りはどうかとなったが、神戸は魚が小さくて…とか、釣り場を歩くのが大変だとか、御岳は川幅がありすぎるとか、なかなかまとまらない。高滝湖に電話を入れたら3月いっぱいはやっているそうだ。でも、釣れ具合が落ちているようで、あまり勧められないという口ぶりだった。勝浦のアジつりという話も出たが、やっぱり状況は分からないし、遠くて…となってしまった。結局もう少し暖かくなってからということで、来月初めの常会で決めることになった。

 夕方からは写真撮影の「テーマの発見」という話を聞きに行った。写真をどういうふうに撮り続けるのかは、感心事だから受講者も多かった。戦場の写真家中村梧郎さん写真を見せてもらいながら、写真撮影への志を聞かせてもらった。ベトナム戦争当時までは、戦争の残虐性や死体などを撮って、リアルな状況を切り取ることができた。が、今はアメリカ軍の監視、管理のもとでしか撮影することができないから、戦争がテレビでやっているようによって、「きれいごと」として扱われるようになったということだ。

 現在は日本の米軍基地でも、基地内に向かってカメラを向けると、日本の警察が飛んでくるらしい。日米の協定ができてあがっているらしい。特定秘密保護法の先取りは進んでいる。写真が持っている表現力は他のさまざまな媒体のなかでも、記憶にのこるものとして優れているという話も印象に残った。


 夕方1830まではしばらく間があったから、ブロードウェイの喫茶店に入って、本を読んで時間を過ごした。これも珍しく知的な満足感をもてて何よりだったけれども、ぐったり疲れた。





2014年3月5日水曜日

打ち上げ成功、ケネディ大使「日米連携の一例」の意味

 世界中の雨や雪を宇宙からレーダーなどで観測する「全球降水観測(GPM)衛星」が228日午前337分、鹿児島県の種子島宇宙センターから、H2Aロケット23号機で打ち上げられたというニュースがあった。

 JAXA(宇宙航空研究開発機構)のホームページには、「GPM主衛星は、NASAのゴダード宇宙飛行センターで組み立てられ、JAXAが情報通信研究機構(NICT)と共同で開発した二周波降水レーダ(DPR)とBall Aerospace & Technologies Corp.(米国コロラド州Boulder市)が開発したGPM マイクロ波放射計(GMI)の二つのミッション機器を搭載しています。DPRは、従来の衛星では観測出来なかった弱い雨から豪雨までを観測するとともに、雨滴や雪、氷粒子の大きさやそれらが雲の中でどのように分布しているのかといった降水の詳細な情報を得ることができます。また、GMIは、13の異なる周波数で降水の分布等を幅広く観測します。」とある。

 どうもそれだけではないらしい。キャロライン大使が「見守った」打ち上げの背景になっていると思われるのは、同HPの「 GPMデータは、淡水資源や農作物収量評価のために、適時の情報を提供いたします。」というくだりだ。
国連でされている、世界が淡水不足になるという論議で「淡水資源」に対する重要性に着目されていることに、アメリカが対応しているということのようだ。
 「農作物収量評価のため」というのも、まさかアメリカ国内のことだけではないだろう。世界の農作物の出来具合を、スキャンして調べたうえで、「世界戦略」に役立てようということではないか。

国際連合に所属する二三の機関などが共同で発表した『世界水開発報告書』は、五○年後には世界で七○億人が淡水不足に直面するという内容で、世界各国に衝撃をもたらした。その時期に世界の人口は九○億人程度と予測されているから、九人に七人が淡水不足に直面するということである。宇宙から観察する地球は青色に光輝き、表面の七割が水面であるのに、飲水にも不足するような状態になるとは想像しがたいことである。


「日米が宇宙で連携した一例となった」とキャロライン大使が語った意味が少しわかった気がした。






2014年3月4日火曜日

捨て場に困る残土は都市開発?大工事のツケ

 「大阪府豊能町で大規模土砂崩れで通行止め・・・大阪市旭区の業者が管理する建設残土置き場、過去にも3度あり行政指導も受けていた」 というニュースがあった。住宅地のすぐ近くで山をこしらえるような土盛りをしているなんて、信じられないことだ。20127月に大阪府の許可を受けて開始し、許可を受けた区域を越えていて、昨年三度も崩れていたらしい。行政指導も受けていたということだが、行政とはこういうことでいいのかという事例になってしまった。

昨年の7月には、大阪府からの「相談」で警察が強制捜査までしていたらしい。
528日、家宅捜索を受けたのは大阪府豊能町の建設会社『北建』と『向井商店』で所有地約4haについて無許可で森林を伐採し建設残土を積み上げて土地の形を変えた森林法違反などの疑いが持たれている。大阪府は業者に対して土砂の搬入の中止や地すべりの対策を講じるようこれまで14回の行政指導をしたが業者側は聞き入れず、先月には開発の中止という行政処分も出している。『北建』の経営者は『違法性の認識はなかった』などと話しており、警察で詳しく調べる方針。府警生活環境課によると、09年夏ごろから開発を始め、少なくとも残土90万立方メートルを受け入れた。帳簿の残る101月から今年2月まで、削った土の販売や残土受け入れで約74400万円を売り上げたという。」

 しかしあの土はどこから持ってきたのか。今に始まったことではないが、どこかの大工事で不要になった残土を捨てているわけだ。山間部はごみ捨て場ではない。森の一部を破壊しているのだから、それも大きな問題だ。残土を捨てるところを誘導できる行政でもないし、違法を取り締まることができないのだから、何おかいわんやだ。警察の捜査先を誤るということも噴飯ものだ。「大阪都市構想」などと言う前の話だろう。


(これは発行元がわからないが、昨年7月の記事)




2014年3月3日月曜日

NHKの受信料不払いしようという話し合が盛り上がる

 あまりにひどいNHKの報道ぶりをみんなが怒って、受信料を払うの止めようという話をすると盛り上がる。全部が悪いというわけではないが、ニュースの報道は見るたびに腹が立つ。その上のNHK会長の悪口雑言言い放題のようなことが起きると輪をかける。それに加えてNHK経営委員の長谷川三千子氏の「不払い」行動だ。

 053月放送のNHK「クローズアップ現代」について、長谷川氏が「本当に酷(ひど)うございましたね。私も生まれて初めてNHKに抗議電話をしようといたしましたらば、すでに回線がパンク状態でございました。ちやうど自動振替が切れましたので、NHKが回心するまで不払ひをつづけるつもりでをります」
と、月刊誌「正論」20057月号にのせたということだ。(毎日新聞227日)

 「未納は2か月間で、その後、支払った。支払いの保留をあたかも視聴者の権利のごとく考えていたのは、完全に私の無知によるものだ」と言い訳もしたらしいが、卒業式の国旗掲揚・国歌斉唱問題を取り上げた053月放送のNHK「クローズアップ現代」が意に染まずあまりにひどいから、「NHKが改心するまでつづけるつもり」なのだから、こんどは経営委員の地位を利用しておやりになるつもりだろうか。

  1月14日朝、「放送の自主・自立の危機に際して NHKで働くみなさんに訴えます」とのビラを、東京、地方のNHK放送局で配布したそうで、東京では1200枚渡ったとのこと。










2014年3月2日日曜日

川崎の東北脱線事故で作業員の責任とされたが

作業員は専門工事会社の所属だった。「JR川崎駅改築工事での入線ルール」では、元請け会社、警備会社、当該会社(恵比寿機工)が作業にあたっている。恵比寿機工がWEBサイトで公表した内容によると、恵比寿機工は警備会社の支持を受けずに工事用車両を入線させることは不可能ということだった。

作業の流れは〈線路閉鎖責任者=元請け会社〉→〈現場管理者および工事管理者=元請け会社〉→〈重機安全指揮者=警備会社〉→〈工事用車両のオペレーター=恵比寿機工〉となっているから、〈重機安全指揮者=警備会社〉からの指示なしには動けないと反論している。そして一部の報道機関が、恵比寿機工のオペレーターが神奈川県警の聴取で「作業時間を間違えた」と話しているのは事実と違って誤解を招くと批判したとのこと。
ただ、このウェブサイトは「混乱を招く」として26日に掲載をやめている。

 恵比寿機工が発表したことを前提すると、警察の発表にも違和感がある。いずれにしても、安全にかかわることがいくつもの指示系統を通じていくということが、危険を生じさせる原因になっている。JRの保線工事で作業員が車両に跳ね飛ばされる事件がよくあった。外注方式で経費を安く上げるということが、「高くつく」という例だろう。




京浜東北線脱線で“主犯”とされた作業員の会社が反論








2014年3月1日土曜日

豊洲新市場の起工式があった

 起工式のニュースをNETでみてみたら、「築地新市場の工事を進めるのは管理施設棟や青果棟、水産卸売場棟など4棟。建設予定地では土壌汚染対策が終了」と、都の発表を鵜呑みにしたままの記事を載せている。土壌汚染対策費が当初から200億円膨らんで、786億円になったことは赤旗だけしか書いていない。本体工事のほうは2月の入札が不調になった結果、当初より6割増の1034億円になったことは、だいたい記事になっている。桝添知事のもとで5000億円という、膨大な資金を導入して建設に走るという向きは決まった。もともとは、石原知事の一期目に移転はしないと決まっていたものをひっくり返して、無理やり推進してきたのだから、とてつもない「もったいない」話だ。


 「土壌汚染対策が786億円で終了した」と都が公表したことを真に受けての報道も、相当間の抜けたものだ。東京都は議会で土壌の調査をキチンとするべきと指摘されたときに、言を左右にして以前にやった調査を「借用して」無理やり安全性を示そうとしていた。止むを得ずやった調査結果で地下水はベンゼンシアン化合物が環境基準を、土壌はベンゼン、シアン化合物、ヒ素が環境基準を上回る汚染が明らかになった(ベンゼンにいたっては国の基準の1500倍の濃度の検出であった)。

 隠し立てしようとしても実際上汚染物質が出てくるわけだから、都としては、やむを得ず汚染対策費の上澄みをしなければならなかった。臨海部開発の失敗の後始末に、どうしても東京ガスの跡地を使わなければならなかったのかということもある。他にもあるよと中央区長が言い出していたし、土壌汚染があることを承知で東京ガス跡地使用を決め、45メートルの土を被せれば大丈夫としていた。これが「土壌汚染対策が786億円で終了した」という内容だ。本来東京ガスが負担すべきものを、都が持ったということだ。こんな親切な話はこと都民に対してはないことだ。

 この土壌汚染問題で東京ガスが、東京都に合わせた口裏合わせの見解を公表している。昨年2月のことで、都知事選挙直前のことだった。
豊洲地区用地(区域2)における土壌調査結果と今後の対応について





2014年2月28日金曜日

片手落ちのNHK

中国から飛んでくるPM2.5が日本の各地で測定されて、汚染による影響を心配する声が集められていた。昨日朝一番の報道だった。日本における高度成長期の公害が深刻で、その後の対策が遅々としていた。当時からマスコミは公害問題についての報道は多くなかった。いまだに解決がされていないものもある。領土問題や、あれこれの中国「批判」のひとつとして、これが日本の憲法「改正」、集団的自衛権行使、軍事力増強への露払いになっていることは否めない。

昨年の話「韓日中の石原伸晃環境担当相は56日に終わった第15回韓日中環境相会合(TEMM)で、中国発の移動性大気汚染物質「微小粒子状物質(PM2.5)」に共同対応するため3カ国間の政策対話を新設することにした。 PM2.5問題協議のため3カ国が協議体を構成したのは今回が初めて。環境部の尹成奎(ユン・ソンギュ)長官、日本の石原伸晃環境相、中国の李幹傑環境保護次官はこの日、福岡県北九州でこのような内容を盛り込んだ共同声明に署名した。」 があったけど、後はどうしたのだろう。日本が「友好の立場」で中国と協力関係を太くしていくことは良いことと思うが、こういったことは後景になっているのだろうか。




昨年9月、東電の「一日600億ベクレル港湾外放出を否定せず」とのユーチューブがあった。NHKはこういう大事件も、取り上げてもらいたいものだ。そうしたら、東電の態度もちょっとはましになるのではないだろうか。 
昨日の国会で笠井議員が、原発におけるトラブルがどのくらいあるのかとの質問をしていた。原子力規制員会の田中委員長は、107件をということだったが、「軽微なものは除いて」としていたため、再三の追及によって、ようやく201件と認めたことだった。比較することではないだろうが、報道は片手落ちということになっている。










2014年2月27日木曜日

2020年東京オリンピック開催の本音は

「史上最高のオリンピック」に向けた会場や都市基盤の整備が、桝添新都知事の公約だった。オリンピックが東京開催に決定したことで、「忘れてはならない課題」との兼ね合いが考えられなければならなかった。オリンピック開催会場や都市基盤の整備の前に、復興の課題も当然ながら道路や橋梁などのメンテナンスも急ぐべき大事なことになっているはずだ。だから、内容はともかく猪瀬前知事は「コンパクト五輪」というキーワードを使っていた。

しかし、そんなことはこれっぽっちも考えていない。
「外苑の再開発を巡っては、2003年に財団法人「日本地域開発センター」が「明治神宮外苑再整備構想調査」を実施して、同時期に「JEM・PFI共同機構」なる団体も外苑の再開発構想をまとめた。各スポーツ施設を移築して一帯に高級マンション群を建てる計画で、実現時の資産価値を1兆円と見積もった。機構の幹事社には鹿島や大成などが名を連ねた。この法人の役員名簿には今も三菱地所、竹中工務店、清水建設らの大手ゼネコン幹部が並ぶ。10年前から国立の老朽化をにらみ、ゼネコン各社が再開発利権を狙って、主導権を争っていた状況がうかがえよう。」

 森(元首相)が、「東京で2回目の五輪を」と石原をたきつけて、20054月に日本体育協会の会長に就任した直後、「国立競技場の建て替えが、政治家の私が会長になった意味。東京に五輪が来れば全部できる」と語った。
都が晴海にメーン会場を新設する計画を立てると、森(元首相)は「都内に国立競技場は2つもいらない」と文科省幹部に念押しした。結局、晴海に国の予算は付かず、都は計画を断念。国立競技場は五輪のメーン会場として巨大スタジアムに生まれ変わる。森の悲願達成の裏には親友(石原慎太郎)の影がちらつく。外苑一帯は今年6月、建物の高さ制限が15メートルから75メートルに大幅に緩和された。そして再開発を後押していったのが、猪瀬前知事だ。 
大判ふるまいの計画がずっとまえから企画されていたことを、新知事によって堂々と歩けるようになったということだ。「よく転ぶ」で総スカンを受ける前にも、この仕掛け人は物議をかもしていた。

森会長(オリンピック組織委員会)らがソチで会見
 【ソチ共同】2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会が9日、ソチで記者会見し、森喜朗会長(76)ら執行部が高齢で語学力に乏しいことなどについて厳しい質問を受けた。森氏は第2次大戦に触れ、英語は「敵国語だった」などと説明した。
 英語力について、森氏は「昔はボール、ストライクも『よし』『駄目』と日本語を使わされて野球をやっていた。私の世代はよほど特別に勉強した方じゃないと外国語をよく理解しない」と話した。出席者からは「敵国語とは不快な表現だ」(英国人記者)「ジョークだと言えば笑い話で済んだが、そうではなかった」(米国人記者)と当惑する声が聞かれた。2.9 47NEWS

オリンピック憲章「オリンピズムの根本原則」のトップにある「1. オリンピズムは人生哲学であり、肉体と意志と知性の資質を高めて融合させた、均衡のとれた総体としての人間を目指すものである。スポーツを文化と教育と融合させることで、オリンピズムが求めるものは、努力のうちに見出される喜び、よい手本となる教育的価値、社会的責任、普遍的・基本的・倫理的諸原則の尊重に基づいた生き方の創造である。」を見て、これだけで日本の現状と人材の適格性が問われる気がしてくる。





2014年2月26日水曜日

外国との差あり、日本の後進性かも。

 真央ちゃんが帰国して記者会見をしたときに、森元首相が「大事な時に転ぶ」と発言したことについて、どう思うかとの質問に答えて「森さんが今、後悔しているのではないかと思います」と答えた。明るく答える様子が印象的で好感が持てた。SPは失敗しても、後のフリーでは自分が構成した目標を完成させたことで、感動を広げたことに確信を持てたのだろう。
 そのときの森元首相の発言は、アイスダンスの選手にも及んでいて、「…特にペアでやるアイスダンスっていうんですかね。あれ日本にできる人はいないんですね。あのご兄弟は、アメリカに住んでおられるんだと思います確か。ハーフ。お母さんが日本人で、お父さんがアメリカ人なのかな。そのご兄弟がやっておられるから、まだオリンピックに出るだけの力量ではなかったんだということですが、日本にはいないもんですから、あの方を日本に帰化させて日本の選手団で出して、点数が全然とれなかった。…」とも話していた。

 こちらの方も配慮のない発言としてはすごいものだ。2020年オリンピック組織委員会会長であるのだから、いかがなものかという声が上がるのは当たり前だ。ところで、その記者会見で質問したのは「海外のメディア」だった。日本のメディアだって質問したいところだろうが、もしかしたら「配慮」かな?

 もう一つ昨日はイスラエル大使館が、破られたアンネの日記を寄贈するというニュースがあった。こんなにひどく広がっていることが今頃表面化したことにあきれ返るし、警察がオズオズと捜査すると言い出すのも恥ずかしいことだと思う。
 イスラエル大使館は「日本の皆さんからのご心配と思いやりに私たちは深い感銘を受けています。アンネの日記は、ホロコーストやその人道的な側面への理解を深めることに役立つもので、日本の捜査当局はこうしたひどい行為を犯した人物に対して速やかに対応し、裁きを受けさせるものと確信しています」とコメントした。

 イスラエル大使館が手を差し伸べてくれたことに率直に驚いた。せめて政府はお礼ぐらいは言うのだろうな。海外との差異を感じた出来事だった。

日本海外特派員協会記者会見真央会見「私はなんとも…森さんが後悔しているのでは」

「アンネの日記」イスラエル大使館が寄贈へ












2014年2月25日火曜日

小国川穴あきダム建設が唯一の治水という山形県のこだわりには、根拠なしの反論

 山形大学の川辺孝幸氏が、最上小国川穴あきダム問題を解き明かした映像があった。2012.9.27にあった集会で講演されたもので、県の依頼調査結果に基づいた調査によって判明したことと、公金差し止め訴訟での論点の紹介と、「河道改修で治水対策できないとする県の主張はなりたたない。」「河床を下げる、堤防をかさ上げすることで治水が可能」という根拠について説明したものだった。

 河床を下げることで温泉の湧水に影響するという県の主張は、ブルトーザーで岩盤の割れ目に影響するような力はかからないし、過去に起きた洪水は「内水被害」(堤防の内側にたまった水が、流れが高いため逃げ場を失う)なので、川の増水によるものでないという事例について紹介している。また、平常時には貯水せず、洪水時に貯めるという「穴あきダム」は、実施例が少ないためにその効用についてのデータはないとの研究者の論文もある。

2012.9.27



山形大学の川辺孝幸氏の講演

再生は約32分かかります


国土問題研究会 中川 学[技術士(建設部門)]
…ダムによる河川環境破壊の実態が明らかになる中で、利水目的のない治水専用ダムの場合、平常時は貯水せず、洪水時のみ洪水を貯留するという「穴あき式ダム」が提案される事例が多く見られる。つまり平常時は、河床に設けられた放流口から流水をそのまま流下させ貯水しないため、従来のダムに見られる貯水池内での水質悪化など、河川環境に与える悪影響が軽微であるとされているものである。しかしこのタイプの治水対策ダムは、ダムへの批判が大きくなったことを反映して、苦し紛れのように考案されているもので、実施例はごくわずかでありその実態は明らかになっていない。しかも環境への影響を評価するためには長期間のモニタリングを要するが、筆者の知る範囲では公表された実施例はない。したがってそのようなデータの分析はなされていないと考えられるが、国交省や研究者などの間で「環境にやさしい」と大合唱されているのは、無責任きわまりないものである。…
「流水型穴あき式ダム」の安全性・環境影響を問う






2014年2月24日月曜日

ダム建設ありきの発想が幅を利かせるのは、おかしいと思わないのがおかしい

 最上小国川漁協が12月23日、山形県への回答書を提出した後の記者会見。県は「公益への配慮」(=ダム建設の邪魔をするな)を要求した、協議には応じるが態度は同じと故沼沢組合長が話す。県は回答書を玄関で受け取るという扱いをしたが、これもひどい話だ。
(再生28分かかります)



  最上小国川の漁業権更新時期に乗じて、漁協にダム建設を飲み込ませるというやり方は、不条理なこと違いない。原発マネーがクローズアップされたが、千葉沿岸の埋め立てもカネで飲み込ませたものだった。カネに加え、さまざまな行政の方策を使って、「ダム建設」という目的のために国も自治体も蠢くという不幸が、いつまでも続くのだろうか。
山形県のホームページによると赤倉温泉周辺の水害は、県が予備調査に入った平成3年までには、床下浸水3戸、温泉客86人避難というものだ。その後の大雨による被害も、護岸の決壊と床上・下浸水数戸というのがこれまでの被害になっている

S62.8.28 集中的な大雨により赤倉最上荘付近の
       一般住宅床下浸水3戸の被害  
H1.8   集中豪雨により最上小国川が増水し、赤倉温泉で
         宿泊客86人が避難
H6.9.30 台風26号の通過により、床下浸水6戸等の被害が         発生
H10.9.16 台風5号による集中豪雨 赤倉温泉で床上浸 水11戸、床下浸水 7戸の被害、住民と宿泊客が避難
H14.7.11 梅雨前線を伴った台風6号により最上小国川で5箇所、支流河川で22箇所護岸決壊や護岸洗掘、赤倉温泉では内水処理ができず床下浸水1棟発生、被害額0.9億円壊等
H16.7.17 梅雨前線による豪雨により最上小国川及び支流河川で数十箇所の護岸決壊等発生、被害額2.9億円
H18.12.2627
       季節はずれの豪雨に加え、融雪が重なり床上浸水2戸、床下浸水6戸の被害
H21.10.8 台風18号による洪水で、床下浸水3戸の被害


ダム建設に向かう山形県の動きでは、当初「水貯めダム」というものだった。現在は「穴あきダム」として変更になっている。ダムによらない治水という漁協の意見をはじめとした「意見や批判」によって変更におよんだものだろう。

H36 予備調査(県単独事業):地形・地質調査、治水計画の検討→H6.8「最上小国川ダム事業計画書」を策定
 洪水調節、流水の正常な機能の維持を目的とした「水貯めダム」(堤高56.5m、堤頂長530.0m
   ↓
H23.11ダム全体計画の認可:洪水調節を目的とし、平常時は水を貯めない「流水型ダム」(堤高41.0m、堤頂長143.0m

被害にあっている赤倉温泉地区の状況から、ダムによらない治水でという漁協の意見は十分に検討されたのだろうかと疑問に思う。山形県のやり方をみて、熊本県の川辺川ダムを思い出した。「ニセ承諾書」を了解の資料として通用させ、ダム建設ありきの結論を誘導したこともあった。不条理の積み重ねで後世の自然界に傷を残すようなことはやめるべきだ。数年前に止まった瀬見温泉の旅館に資料が置いてあった。地元の小学校では、小国川に生きる生き物を観察して、生態系を理解する教育をしている。こうして、自然の環境がつぶされていくのを、黙視してはならないだろう。これは釣が好きだということだけでない共通の財産なはずだ。

草島進一氏のブログから
…昨年末の漁業権更新について、県はダムを前提としたものではないと言及するものの、全体像を踏まえれば、明らかにダムを承認させる協議の場に漁協をつかせるために、漁業権更新時をとらえ、認可権を脅しに使い協議を迫った実態があります。吉村県知事は、12月24日の記者会見において、ダム建設と漁業権の認可との関連性について「ただ、まったく繋がっていないというのはあたらないと思っています」と関連性を認めるかのような発言をしています。

漁業法は、本来自由に任されている漁業に、漁業調整(漁場の総合利用漁業法による漁業生産力の発展)を目的として公的に介入している法律…







2014年2月23日日曜日

アユ釣りのメッカ最上小国川を自然のまま残したい

 「ダムはいらない」と板張りの看板に書かれた文字が、瀬見温泉の入り口にあった。故郷山形県の瀬見温泉は舟形から小国川沿いに鳴子方面に行く途中にある。看板を見たのはもうだいぶ前だったが、温泉手前の橋から見える流れを見て、アユつりには良い川だろうと思った。しかも流れに入って釣るにはもってこいの川相をしていた。それから何気なくこの川のことを気にかけるようになったが、ひなびた瀬見温泉に来るたび、橋から覗いてみると、広い川で伸び伸びと竿を振り、アユを釣っているところも見かけた。

 その最上小国川で、ダム建設に反対している漁協組合に漁業権更新の時期が来た。昨年の暮れに「公益上の配慮」を認めないと更新しないという山形県の圧力がかかった。「穴あきダム」を建設したい山形県が、漁協に邪魔をするなというわけだ。あまりひどいやり方を新聞もこの事実を書いた。相当の反響があったらしいことは山形県の対応でも知れた。

 浜松労釣のAさんからの連絡もあって、何等かことができないかと相談をしているところだった。結局今に至るまで具体的なことはできなかった。山形県のちょっとえげつない対応もあったが、漁協は協議には応じるがダムによらない治水を求める姿勢はかわらないという文書を県側に回答した。漁業権は問題なく更新された。
 ところが210日に沼沢組合長が自死されてしまった。29日に「釣りと環境」というテーマでシンポジウムがあった。そのとき最上小国川の事情を聴いていたから、なおさらショックを受けた。

故沼沢勝善氏が山形県の協議会で述べていたこと
 「最上小国川は、ダムのない川であるが故に、ことさら『清流小国川として広く知れ渡り、最上町と舟形町のかけがえのない観光資源であり、流域の人々に計り知れない多くの恵みをもたらしていることは誰もが認めることであります。
 小国川漁業協同組合は、川に生息している魚族の生態系を守る事及び繁殖保護に努めることを使命として、永年努力しております。ダムが造られれば、これまでの自然環境に変化を及ぼし、特に河川の生態系に悪影響が及ぶことを回避することはできません。
 生息している魚族の生態系を守り、これらの増殖保護を行いながら良好な漁場を維持していくことを使命とし、豊かな自然環境を後世に引き継ぐため努力している私共小国川漁業協同組合は、ダム建設を看過することはできないのです。
 小国川に育っている魚種は、質、量とも一級品として多くの人々から認められ、自然豊かな素晴らしい川として羨望され、たくさんの釣り人が訪れるのです。恵まれた自然環境は、人の手によって造られたものではありません。多くの豊かな漁場があり
清流小国川として広く世間に認められている大きな観光資源を未来に引き継ぐためにも、最上小国川の治水対策はダムに依らない対策を要望します。」

友鮎釣りのメッカ、最上小国川を語る。釣り名人 伊藤稔氏 他






2014年2月22日土曜日

メダルが取れればいいわけではない。

 浅田真央選手が泣いたのを批判する人がいるのだとか。そういうときに、泣こうが泣くまいが大きなお世話じゃないか。うれしいことにつけ悲しいことにつけ泣く、年をとったらよけいにしかも勝手に流れる。人によって尺度の違いがあるだろうし、どこからまでは涙を流すなという規律など成立するわけがない。メタボのように平均的な物差しを無理やり当てはめるのは合理的でない。

 よく転ぶからでないほうがいいという、オリンピック精神からは度外れた精神の持ち主は別にしても、だいたいメダル獲らなきゃダメみたいな雰囲気で、緊張を高める結果に陥るのはいかがなものかと思う。選手たちがのびのびと競技を「楽しむ」ことができるのでなければ、世界中の人たちが楽しむスポーツとしては成り立たない。さる番組でメダルを撮った経験者が、メダルを取ることによって、予算がつくと話していた。荒川静香もスケート施設を拡充するために活動していたが、国の予算の使い方はお粗末極まりない。今回メダルを手に入れた選手も、手弁当で練習を積んだ人が結構いる。金メダルで300万円の報奨金が出るのだそうだが、海外での技術取得、練習にも相当の費用が掛かるだろう。「恵まれない環境から這い上がってオリンピックでメダルを取った」というお涙ちょうだいものが、いつまでも横行するようではなさけない。

 新都知事がソチに出かけた。もちろん税金で行ったのだろう。何を見ようというのかは知らないが、ソチの「公共事業」も的にはなっているだろう。2020年のオリンピックは、業界には「首都大改造」の言葉が飛び交っている。大企業先行型のオリンピック招致事業ばかりが、膨れ上がるのをマスゾエ氏はコントロールする気はないようだ。浅田真央がSPを失敗したのは残念だった。でも、自分が構成して成し遂げたというフリーの結果は、素晴らしかった。終えてからの泣き顔とそのあとの笑い顔はよかった。選手が報われるのは、メダルばかり求めるということだけではないと、改めて思った。


結果不振選手批判はブラック企業の論理為末大学 オリンピックを考える









2014年2月21日金曜日

熟年トリオの旅はお開き

 最後はやはり金町の「自慢」を紹介するのが穏やかだろう。雪との戦いを余儀なくされているときに、楽しみばかりで見て歩くのもいくらかの引け目を感じないわけではない。もうちょっと入り込んだ写真が撮りたいと思って、蕎麦所「草々」さんご主人と話した。「雪でねー。雪かきの人くらいかね」と返ってきた。御多分にもれず人口が減り、外からの移住者も迎える制度もある。空き地に交流施設やら、展示施設やらが町の力で増えている。小さな行事計画をつくって観光客を呼ぶ…。

 オリンピックを承知して首都大改造などという絵空事は、ここには関係ない。まして「アベノミクス」の恩恵などこれっぽっちも見当たらない。いいよ、そんなものがないシコシコとしたかわいい街でいいと、出身の資格を持って勝手に思う。もう少し入り込んで写真を撮りたい。先輩方はまたいろいろだろうが、お開きのまとめはそんなところだろうか。



いつも立ち寄る蕎麦処 鳥そば、板そば700円
もちろん美味しいし、量もあってうれしい。


向かい側で気になるお店 この雰囲気がたまらない

ここも金山町中 町中のオブジェ 





ここは肘折温泉銅山川 銅山川のオブジェ